コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

話本 わほんHua-ben

5件 の用語解説(話本の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

話本
わほん
Hua-ben

中国,宋,元代の講談の台本。中国の都市は宋代にいたって貨幣経済の発達に伴って繁栄し,市民の生活も余裕をもつようになった。そして 汴京 (べんけい) や臨安などの大都市では瓦舎 (がしゃ。瓦子 ) と呼ばれる繁華街の寄席で「説話」と呼ばれる講談が流行した。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

わ‐ほん【話本】

中国の宋代から元のころまで行われた、口語体で書かれた語り物の台本。講史の台本を平語というのに対して、物語の台本をいう。

出典|小学館
デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

話本【わほん】

中国,宋代の説話小説本。宋代,商業の発達に伴い,盛場(瓦子)で講釈師(説話人)が,説白(せりふ)と詞(うた)を混ぜた説話小説を演唱して興行した。そのテキストが話本で,読物として刊行された。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
百科事典マイペディアについて | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

話本
わほん

中国、宋(そう)・元(げん)時代の講談の台本。中国の都市は宋代に、商工業の発達とともに繁栄し、市民生活にも余裕が生まれ、民間演芸が大いに発展した。北宋の首都の(べんけい)や南宋の首都の臨安などの盛り場では、多くの演芸小屋ができ、演劇、影絵芝居などとともに「説話」とよばれる講談が流行した。そして初め、講釈師(説話人)たちの便宜のためのメモとして書き留められたその台本が、のちに下級文人の加筆を経て、読み物として人々に喜ばれるようになった。明(みん)代に入ると、その形式を踏みつつ、初めから読むことを目的に創作されるようになり、それがやがて商業出版の対象となり、今日でいう小説に近いものが生まれた。話本とはそれらの総称であるが、明代以降の創作を擬話本とよんで区別することもある。『京本(けいほん)通俗小説』『清平山堂話本』など、比較的早く編集された話本集に収められる諸編は初期の形態をとどめ、講釈師の語りぶりを伝えるものが多く、『三言』『二拍』とだんだん擬話本の比率が増えている。そして『水滸伝(すいこでん)』『三国志演義』などの口語長編小説は、同一題材の一連の話本を首尾一貫させ、加筆発展させて生まれたものである。[今西凱夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の話本の言及

【三言二拍】より

…各巻が小説1編であるが,重複1編と《二刻拍案驚奇》第40巻が実は戯曲であるのを除き,全部で198編の小説を収める。内容は,宋・元代に行われた講釈師の講談を筆録したもの,すなわち〈話本〉,および明代に話本の形式になぞらえて作られたいわゆる〈擬話本〉から成り,中には編者自身の創作もあるらしい。〈擬話本〉は〈三言〉よりは,のちに出た〈二拍〉の方に多い。…

【小説】より

… 次の宋代では,都市の急速な発達にともなって,〈瓦市〉と呼ばれる盛り場での常設の演芸場で各種の講釈が上演された。そのうちの〈小説〉語りの記録は〈話本〉とか〈評話〉と呼ばれて明代に伝えられ,口語体の短編小説の母胎となった。一方,長編小説は宋代に口演された《三国志》や《水滸伝》が,それぞれ章を立てて首尾一貫した構成をもつ読み物として刊行されたが(《三国演義》),また16世紀には《金瓶梅》というある1人の作家による長編の創作が生まれ,従来の口誦説話を基盤とした小説からはじめて脱皮した。…

【説話】より

… すでに唐代では,寺院などにおける宗教的説法から発展し通俗化した〈俗講〉または〈変文〉が行われていたが,宋代になると,商業経済の急速な発達と新しい市民階層の台頭によって,北宋の首都開封や,南宋の首都杭州のような大都会が繁栄し,盛場(瓦子)の芝居小屋(勾欄)では,簡単な劇や講談,軽業などのさまざまな演芸が演じられた。その中で,もっぱら話芸に属するものを説話,その芸人を〈説話人〉,またその筆録を〈話本〉といった。その具体的内容や芸人の名前は,開封のようすを書いた《東京夢華録》,杭州に関する記録である《都城紀勝》《西湖老人繁勝録》《夢粱録》《武林旧事》の諸書にみえ,とくに《都城紀勝》と《夢粱録》では,説話を4家に分類している。…

【白話】より

… 宋代に入ると,印刷術の発明と商業の発達にともない,読書人の層がふくらんでいった。仏家の〈語録〉のあとをうけて儒家の〈語録〉がつくられ,〈変文〉のあとをうけて〈話本〉(講談の台本)ができるなど,口語で書かれた作品が,目だってふえてくる。唐代の〈詩〉にかわって〈詞〉が宋代の韻文形式となるが,時代がくだるにしたがって口語的な表現がふえてくる。…

※「話本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

百条委員会

地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科...

続きを読む

コトバンク for iPhone

話本の関連情報