出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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中国、宋(そう)・元(げん)時代の盛り場での語り物は4種に分類され、その1種を講史といい、そのテキストを平話という。現存するのは『五代史平話』「全相平話五種」(『武王伐紂(ばっちゅう)』『楽毅(がくき)図斉七国春秋後集』『秦(しん)併六国』『前漢書(ぜんかんじょ)続集』『三国志』)である。「全相」というのは絵入りのことであり、上図下文となっていて読本(よみほん)への展開を示している。「平」は評の意味で、演者の評論が挿入されているからだという。後世の「評話」は平話の発展とみなされており、清(しん)の乾隆(けんりゅう)(1736~95)以後は方言で語られ、地方的色彩をもつようになった。代表的なものに揚州(ようしゅう)評話、蘇州(そしゅう)評話、四川(しせん)評書、湖北評書などがあり、歴史物語、武侠(ぶきょう)小説の長編が多い。
[尾上兼英]
…中国の北宋(960‐1127)の首都汴京(べんけい)(開封),南宋(1127‐1276)の首都臨安(杭州)などの都市の盛り場には常設の演芸場があったが,そこで語られた講談のうち,人情噺などを主とする短編を小説といったのに対し,長編の史談を講史と呼んだ。また講史の筆録を評話,あるいは平話といい,現在《三国志平話》《五代史平話》などの作品が伝わっている。これらは後に明代になって《三国演義》などの長編小説へと発展してゆく。…
…説経,または談経,唐代の俗講に由来するもので,〈仏書の演説〉を内容とし,これにはさらに禅問答のまね事である〈説参請〉,滑稽を主とする〈説諢経(せつこんきよう)〉が含まれる。講史書は,三国史,五代史などの長編の歴史物語で,その筆録をとくに〈平話〉といった。現存するものとして《五代史平話》《宣和遺事》《三国志平話》などがあり,のちの《三国志演義》などの長編小説へと発展していく。…
※「平話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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