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誕生仏 たんじょうぶつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

誕生仏
たんじょうぶつ

釈迦の誕生時をかたどった彫像。誕生仏像には2種あり,その1つは摩耶夫人の右脇下から生れた釈迦の姿を表わしたもので,『四十八体仏』 (東京国立博物館) 中に飛鳥時代の遺例があり最も早い例。もう1つは右手で天をさし,左手で地をさして「天上天下唯我独尊」と称した誕生時の釈迦の姿をかたどったもの。東大寺の誕生仏は天平時代の優品で,付属の灌仏盤とともに著名。なお多くは銅造でまれに木造もある。

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百科事典マイペディアの解説

誕生仏【たんじょうぶつ】

釈迦誕生の像。母摩耶夫人の右脇より生まれ,7歩進んで,右手で天,左手で地をさし,〈天上天下唯我独尊〉と唱えたと伝える姿を模した像。多く金銅像に作り,灌仏会(かんぶつえ)には甘茶を注いで,甘露の雨に擬する。
→関連項目花祭(仏教)

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世界大百科事典 第2版の解説

たんじょうぶつ【誕生仏】

釈迦の降誕の姿をあらわす仏像で,灌仏会(かんぶつえ)(花まつり)の本尊である。釈迦は生まれてすぐ四方に7歩ずつ歩み,右手で天,左手で地を指さし,〈天上天下唯我独尊〉(わたくしは世の中の最勝者である)といったと伝える。その姿を銅造でかたどったものが誕生仏で,その多くは上半身を裸形,下半身に裙(くん)をまとい,灌仏盤中に立つ。誕生仏の異形として左手で天,右手で地を指さすものがあり,また木造の誕生仏もある。

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大辞林 第三版の解説

たんじょうぶつ【誕生仏】

釈迦が生まれた時の姿をかたどった像。右手で天を指し、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」と唱えた相を表す。灌仏会かんぶつえで祀まつられ、甘茶をかける。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

誕生仏
たんじょうぶつ

誕生釈迦仏(しゃかぶつ)の略で、釈迦降誕の姿を表した像。釈迦は紀元前6世紀ないし5世紀の4月8日の朝、ルンビニー園の無憂樹の下で花をとろうとして右手をあげた母マーヤー夫人のわきの下から生まれ、7歩あるいて右手で天を、左手で地をさして獅子吼(ししく)したといわれ、この天地をさす姿を像にしたのが、一般に誕生仏と称されるものである。毎年4月8日の灌仏会(かんぶつえ)・仏生会(ぶっしょうえ)(花祭り)の本尊として灌仏盤の中心に安置し甘茶を注ぐのは、誕生のとき竜王が香水(こうずい)を供養したとの故事による。現存の像では東大寺、善水寺、悟真寺(ごしんじ)など8世紀の像が有名。また京都大報恩寺の像は鎌倉時代の作例として貴重である。そのほか、マーヤー夫人のわきの下から生まれようとする瞬間を、付き従う侍女(釈迦を賛嘆する竜王、あるいは天人ともいう)や無憂樹とともに表した像(現存するものでは法隆寺献納宝物、東京国立博物館蔵)もある。[佐藤昭夫]

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