谷田峠(読み)たんだだわ

日本歴史地名大系 「谷田峠」の解説

谷田峠
たんだだわ

日南町上石見かみいわみから岡山県神郷しんごう町へ越える県境の峠。標高五二〇メートル。江戸時代には駒崎こまざき村から備中国哲多てつたかま(現神郷町)和忠わただ集落へ越える玉島たましま街道のルートにあたり、伯耆側からは鑪鉄の搬出路、備中側からは大山詣・出雲大社詣の道として利用された。谷田乢とも記す。峠の名は駒崎村の地に城を構えたとされる尼子氏の家臣谷田氏にちなむといわれる。正保国絵図に「此堺ヨリ備中国哲多郡和忠村迄拾八町大雪時牛馬無道」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「谷田峠」の意味・わかりやすい解説

谷田峠
たんだとうげ

鳥取県日野郡日南(にちなん)町と岡山県新見(にいみ)市の県境にある峠。「たんだだわ」ともいう。標高520メートル。主要地方道新見日南線(玉島街道)が通じ、その下をJR伯備(はくび)線谷田トンネルが通る。近世以降、和鉄の移出石灰移入が馬荷や荷馬車で行われ、さらに高梁(たかはし)川水運で玉島港と結ばれたが、伯備線開通でさびれた。古来峠越しの交流が密で、方言民俗山陰山陽との類似性が高い。

[岩永 實]

『『日南町史』(1984・日南町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「谷田峠」の意味・わかりやすい解説

谷田峠
たんだだわ

岡山県新見市と鳥取県日南町の間にある中国山地越えの峠。標高約 500m。「たんだとうげ」「たにだとうげ」ともいう。かつては山陰の境港と山陽の玉島港とを結ぶ玉島街道が通った。 1928年国鉄伯備線がこの街道に沿って開通してから衰微したが,県道が整備され復活

谷田峠
たんだとうげ

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