象限儀(読み)しょうげんぎ(英語表記)quadrant

  • しょうげんぎ シャウゲン‥
  • しょうげんぎ〔シヤウゲン〕

翻訳|quadrant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

四分儀ともいう。プトレマイオスの時代から望遠鏡発明の直前まで,ヨーロッパの天文学者に広く用いられた天体観測器械。四半形の半径の一つを垂直に立て,角度目盛りをつけた円周上の1点から中心を通して天体を望むことによってその天体の高度が測定できる。 T.ブラーエなどは黄銅製の巨大なこの器具を用いて観測を行い,その精密な観測結果が,ケプラー法則を導き出す結果となった。

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デジタル大辞泉の解説

18世紀の終わりごろまで天体の高度観測に用いられた器械。円周の4分の1の目盛り環に0度から90度を目盛り、これに円の中心を通る照準尺を取り付け、回転できるようにしたもの。四分儀

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

「四分儀」ともよばれ、円周の4分の1、すなわち1象限の角度の目盛りをもった位置天文・測量観測装置。同様なものとして、六分儀・八分儀がある。ティコ・ブラーエの壁四分儀が有名で、これによる精密惑星観測データからケプラーが惑星運動の法則を発見した。経緯儀のような近代的な測量器が発明される以前に、測角装置として広く用いられ、そのころ制定された星座の名称にも取り入れられている(ただし現在制定されている88星座には含まれておらず、1月のりゅう座流星群の別名として、その名をとどめている)。構造は簡単で、四分円の弧と、円の中心と弧を結ぶ可動の照準尺とで構成される。現代のように顕微鏡で目盛りを読み取ることができなかった時代には、精度をあげるために大きな構造が必要であり、ティコのものは半径3メートルもあった。

[中嶋浩一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 九〇度の目盛りをもつ扇形の天体高度測定器。近世初期に来航したポルトガル船の航海具として舶載されたのを契機に日本でも製作使用され、原名 Quadrante をとってカダランテと呼ばれた。四分の一円周の金属盤と望遠鏡を組み合わせたもので、主として北極星や太陽の高度を測り、航海中の船の緯度を決定する。四分儀。
※渡海新法(1802)「針盤と象限儀とを用て遠海を渡海する仕方三箇条」

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世界大百科事典内の象限儀の言及

【四分儀】より

…象限儀ともいう。古くから天体の高度観測に用いられた天文観測器である。…

※「象限儀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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