(読み)バイ

デジタル大辞泉 「買」の意味・読み・例文・類語

ばい【買】[漢字項目]

[音]バイ(漢) [訓]かう
学習漢字]2年
代価を払って品物を求める。かう。「買収故買購買売買不買

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精選版 日本国語大辞典 「買」の意味・読み・例文・類語

かいかひ【買】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かう(買)」の連用形名詞化 )
  2. 品物などを買うこと。⇔売り
    1. [初出の実例]「おやさくるつまはましてる、はしも、しかしあらば、矢矧の市に沓加比(カヒ)にかむ」(出典:催馬楽(7C後‐8C)貫河)
  3. 相場の値上がりを予想して買い付けること。また、取引場でのその手振り。⇔売り
    1. [初出の実例]「四百五十円余握って直ぐに蠣殻町へ飛び出し、思ひ切って皆な買ひに入れると」(出典:当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉三)

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普及版 字通 「買」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] バイ
[字訓] かう・もとめる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
网(あみ)+貝。网は網。多くの貝を買い集めて蔵する意。〔説文〕六下に「市(か)ふなり、网貝に從ふ」とし、その网に従う意について、〔孟子、公孫丑下〕「斷(ろうだん)に登りて市利を网す」の文を引くが、字の構造とは関係のない文である。〔左伝、僖二十八年〕にみえる公子買は、字は子叢、また、〔春秋、襄三十一年〕の(きよ)の人「密州」を〔左伝〕に「買朱(ばいしゆしよ)」に作り、密と買とが対応する字である。これによると、買・密・叢の間に、声義の関係があるものと思われる。

[訓義]
1. かう、代価をはらってかう。
2. もとめる、まねく。
3. うる。

[古辞書の訓]
名義抄〕買 カフ・ウル 〔立〕買 カフ・ヲフ・アキナフ・ウル

[声系]
〔説文〕に買声の字二字を収める。賣(売)について〔説文〕六下に「出に從ひ、買に從ふ」とするが、賣はもと(しよく)に作り、贖罪の意。賣買はのちの対待語であろう。

[語系]
買・賣meは同声。〔同源字典〕に売賣を対待の語とし、徐の「物を出だすを賣と曰ひ、取するを買と曰ふ。(た)だ一聲の輕重のみ。~竊(ひそ)かに謂(おも)ふに買賣は本(もと)是れ一字。後其の聲を異にするを以ての故に、出に從ひて以て之れを剔(わか)つ。書傳に買賣二字、互用す」という文を引いている。買売を対待の語とすることは、そのような商行為が、一般的なものとなってからであろう。償も古くは賞を本義とする語であった。買・密が通ずるのは、密mietと声が近いからであろう。

[熟語]
買宴買価買禍買官・買鬼買昏・買山買死買爵・買収買舟買售買愁・買春・買笑買嘱・買酔・買青買賤買断・買売・買弁・買名・買夜・買憂・買誉・買隣・買弄
[下接語]
貴買・競買・故買・買・購買・市買・趣買・旋買・賤買・贈買・売買・不買・来買

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