
を出すなり」という。金文に贖(
)(しよく)の字があり、その従うところがおそらく賣の初文であろう。賣はもと贖求(しよくきゆう)・贖罪の意で交付する行為であったと考えられる。すなわち賠償をはらうということであった。〔周礼、地官、司市〕に「其の賣
(ばいとく)(つぐない)の事を掌る」とみえる。のち全く交換的な経済行為をいい、〔周礼、天官、小宰〕に「賣買を聽(ゆる)すに質劑(しつざい)(契約書)を以てす」という。もと
(しよく)声であったものが、売買という交換的な行為のなかで、賣(ばい)の声に移ったものであろう。〔玉
〕に「或いは粥・鬻(いく)に作る」というのは、〔説文〕六下に「
(ゐく)は
(げん)なり」とあって、
売の意。〔広雅、釈詁三〕に「賣は
なり」とみえる。
に作り、贖刑を示す字。賣の形声字に賣声の字はなく、いま賣を声符とするものは、すべて贖(しよく)・續(続)(ぞく)・牘(とく)・讀(読)(どく)の声である。賣買という声は、買に対する対待語としての声であろう。
▶・売鬻▶・売
▶・売恩▶・売価▶・売貨▶・売禍▶・売花▶・売我▶・売
▶・売姦▶・売官▶・売眼▶・売貴▶・売技▶・売却▶・売客▶・売去▶・売空▶・売勁▶・売芸▶・売券▶・売交▶・売国▶・売獄▶・売婚▶・売才▶・売妻▶・売子▶・売死▶・売爵▶・売主▶・売春▶・売笑▶・売唱▶・売娼▶・売漿▶・売食▶・売身▶・売清▶・売舌▶・売租▶・売宅▶・売炭▶・売蛋▶・売痴▶・売糖▶・売
▶・売婆▶・売腐▶・売侮▶・売文▶・売餠▶・売卜▶・売名▶・売約▶・売薬▶・売友▶・売誉▶・売庸▶・売耀▶・売力▶・売
▶・売弄▶・売老▶
売・貨売・貴売・競売・衒売・沽売・自売・商売・専売・賤売・即売・糶売・転売・買売・発売・販売・傭売出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…盗まれたお家の重宝鯉魚(りぎよ)の一軸を捜し求めて,吉田家の若君松若は,許嫁の野分姫を置いて江戸へ下り,要助と名を変えて永楽屋の手代となる。姫は
売(しのぶうり)に身をやつして若君を追ってくるが,要助は勘十郎の婿入りが決まっている娘お組と深い仲。また願人坊主の法界坊がお組に横恋慕。…
…常磐津節。通称《
売(しのぶうり)》。本名題《両顔月姿絵(ふたおもてつきのすがたえ)》。…
※「売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...