資金管理団体(読み)シキンカンリダンタイ

デジタル大辞泉 「資金管理団体」の意味・読み・例文・類語

しきんかんり‐だんたい〔シキンクワンリ‐〕【資金管理団体】

国会議員地方議員自治体首長など公職候補者政治資金の提供を受け、取り扱うために設置する団体政治資金規正法に基づいて一人につき一団体のみ指定できる。資金管理団体は政治家個人の資金を管理する団体で、個人献金のみ受け取ることが認められ、企業献金団体献金の受け取りは禁止されている。政党が設置する政治資金団体とは異なる。→政治献金
[補説]資金管理団体の代表は候補者本人が務める。資金管理団体への個人献金の年間限度額は一人あたり150万円。資金管理団体への企業・団体献金は平成12年(2000)1月から全面的に禁止されている。

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共同通信ニュース用語解説 「資金管理団体」の解説

資金管理団体

政治家や公職の候補者が政治資金を取り扱う目的で、一つだけ指定できる政治団体。本人が代表者となる。特定の個人からの寄付は年間150万円以内に制限されるが、代表者自身からの寄付は制限が一部緩和される。企業・団体献金の受け取りは禁止。国会議員の資金管理団体は、人件費を除く1件1万円を超える経費政治資金収支報告書に記載し、領収書の写しを併せて提出することが義務付けられている。不動産の新規取得は禁じられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「資金管理団体」の意味・わかりやすい解説

資金管理団体
しきんかんりだんたい

国会議員、地方議員、地方公共団体の首長などの政治家やその候補者が政治活動のための資金(政治資金)を受け取るために指定する団体。政治団体の一種であり、自分が代表を務める政治団体のなかから一つだけ指定できる。政治資金を扱う団体をできるだけ一本化し、政治にかかる金の流れをわかりやすくして公開する目的で、1995年(平成7)の改正政治資金規正法施行に伴って設けられた。個人からの献金や寄付のほか、パーティー収入を受け取ることができるが、企業・団体からの政治家個人への献金は2000年(平成12)以降は禁止となった。

 資金管理団体の収入の多寡は政治家の資金力をみる指標の一つといえる。個人から受け取ることができる寄付や献金の上限額は、特定の個人が特定の政治家に対する突出した影響力をもつことを防ぐため、年間一人当り150万円までに制限されている。ただし政治家自身による自分の資金管理団体への寄付は年間1000万円まで許されており、資金管理団体の資金繰りが苦しくなったときに自ら寄付できる特典がある。2007年の政治資金規正法改正では、資金管理団体による新たな不動産の取得や保有を禁止した。2009年からは収支報告書の提出の際に弁護士などによる政治資金監査が義務づけられた。資金管理団体を指定した政治家は、政治活動が複数の都道府県にまたがる場合は総務大臣へ、単独の都道府県ならばその都道府県の選挙管理委員会へそれぞれ届け出る必要がある。また資金管理団体の収支を記載した政治資金収支報告書を毎年、総務大臣や都道府県選挙管理委員会へ提出することが義務づけられている。2013年12月末時点で、全国に政治団体は6万以上あり、このうち資金管理団体が約1万2000、国会議員の資金管理団体は625ある。

 政治家が資金を受け取る政治団体には、資金管理団体のほか、後援会などの「関係政治団体」や企業・団体献金を受け取る「政党・政党支部」があり、政治資金の流れは複雑で透明性が確保されていないとかねてより批判されている。

[矢野 武 2015年3月19日]

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