赤不動(読み)アカフドウ

デジタル大辞泉 「赤不動」の意味・読み・例文・類語

あか‐ふどう【赤不動】

高野山明王院蔵の不動明王画像の通称。平安後期から鎌倉前期の作。全身赤色で彩色されているのでこの名がある。智証大師円珍)が感得したものを図にしたという伝説がある。青不動黄不動とともに三不動の一。

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精選版 日本国語大辞典 「赤不動」の意味・読み・例文・類語

あか‐ふどう【赤不動】

  1. 和歌山県の、高野山明王院にある不動明王画像の通称。作者、制作年代不詳。不動の姿が深紅色で表わされている。「青不動」「黄不動」とともに日本三大不動の一つ。重要文化財

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百科事典マイペディア 「赤不動」の意味・わかりやすい解説

赤不動【あかふどう】

不動明王像の一つ。身体と衣が紅でいろどられているのでこの俗称がある。円珍比叡山横川(よかわ)の葛河滝で感得した姿と伝える。脇侍の2童子を画面右側に集めた点が一般の不動画と異なる。平安時代の代表的仏画だが,表現の上から鎌倉時代とする説もある。高野山明王院蔵。→青不動黄不動
→関連項目高野山

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤不動」の意味・わかりやすい解説

赤不動
あかふどう

和歌山県高野(こうや)町大字高野山の明王院に伝わる不動明王二童子像の通称。絹地に描かれた彩色画で、不動明王の全身が鮮やかな真紅の色で表されているのが特徴で、この名称がある。不動は右手倶利迦羅(くりから)剣を、左手羂索(けんさく)を持し、火炎を背に岩上に半跏(はんか)に座し、片側に寄せて矜羯羅(こんがら)、制吒迦(せいたか)の二童子を描く。智証(ちしょう)大師(円珍)が比叡(ひえい)山横川(よかわ)に参籠(さんろう)したとき感得したものを図にしたという伝説がある。森厳霊妙で、わが国仏画を代表する名品の一つ。制作年代は藤原期とする説が有力で、重要文化財に指定されている。

[永井信一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤不動」の意味・わかりやすい解説

赤不動
あかふどう

和歌山県高野山明王院蔵の画像。岩上に坐す不動明王と二童子を描く。不動の身色や着衣を赤色で彩るのをはじめ,不動の惣髪や額の三環の飾り,坐法,二童子の配置や表情などが,経軌にとらわれない特異な像容構成を示す。黄不動青不動とともに三不動として有名。円珍の感得像と伝えられるが,後世の補彩が多いこともあって制作年代についてはまだ定説をみない。

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旺文社日本史事典 三訂版 「赤不動」の解説

赤不動
あかふどう

高野山明王院所蔵の不動明王画像
平安前期の作と伝える。作者不詳。全身を紅に彩り真紅の炎を配した迫力ある仏像。園城寺 (おんじようじ) の『黄不動』,青蓮院 (しようれんいん) の『青不動』とともに三不動と呼ばれる密教美術の代表作。

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世界大百科事典(旧版)内の赤不動の言及

【不動明王】より

…さらに単独で盛んに信仰され,変化に富んだ姿勢に表現された座像や立像の優れた作品が数多く伝えられている。その中でも黄色の肉身によって〈黄不動〉と呼ばれる滋賀園城(おんじよう)寺の立像,赤色の肉身をもち〈赤不動〉と呼ばれる和歌山高野山明王院の半跏(はんか)像,青色の肉身に表され〈青不動〉と親しまれる京都青蓮(しようれん)院の座像の3幅が特に著名である。〈赤不動〉と〈青不動〉には二童子が描かれるが,不動明王の眷属としては八大童子が造像されることが多い。…

※「赤不動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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