超分子(読み)チョウブンシ

百科事典マイペディアの解説

超分子【ちょうぶんし】

数多くの分子が非共有結合によって会合し,独自のまとまった構造・機能を生み出している分子集合体。たとえば生体には,タンパク質脂質などの分子からなる数多くの分子集合体が存在し,生体超分子としてさまざまな構造・機能を実現している。脂質2分子層からなる生体膜,タンパク質と核酸との分子集合体であるリボソーム,細胞骨格や物質輸送などに関与する微小管,光合成や呼吸代謝を担う一連の酵素がつくる複合体などが代表的な例。これらと類似の構造・機能をもつ人工超分子を,合成化学の手法により構成しようとする試みは,バイオミメティック・ケミストリーの重要な研究課題である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

超分子
ちょうぶんし
supramolecular compound

複数の分子イオンが非共有結合的(→共有結合)な相互作用で分子会合した,高次な構造をもつ集合体。生体内の酵素反応を例にとると,酵素水素結合ファン・デル・ワールス力など,弱い相互作用を用いて基質を取り込み,反応する。酵素の反応は基質に対してきわめて選択性があるが,その理由は,それらの弱い相互作用の共同効果で基質を認識し,ある基質との間にのみ高次の構造をもつ包接錯体をつくるからと考えられる。酵素のような分子認識能をもつ分子としては,クラウンエーテル(→ペダーセン)やシクロデキストリン誘導体が知られている。

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