身から出た錆(読み)ミカラデタサビ

  • =出(だ)した
  • から=出(で)た
  • 身(み)から出た錆(さび)
  • 錆(さび)

精選版 日本国語大辞典の解説

自分の行為の報いとして禍災を被ること。自分の悪行の結果として自分が苦しむこと。自業自得。
※三体詩幻雲抄(1527)「初から花の落と云恨もあるまいが〈略〉桃花が我と我身から出たるさひぢゃほどに人をも恨みごともないぞ」

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ことわざを知る辞典の解説

災いが降りかかり苦しむのも、元をただせば本人の悪行や怠慢が原因となっていることのたとえ。他の誰のせいでもなく、本人に責任があることを強調していう。

[使用例] 向うがしんしょうがえいというので、仕度にも婚礼にも少なからぬ費用を投じたに係らず、三月と居られないで出て来た。それも身から出た錆というような始末だから一層兄夫婦に対して肩身が狭い[伊藤左千夫*春の潮|1908]

[使用例] 「やれ、かわいそうに」と藤右衛門は言った。「かわいそうというのは、ご亭主のことじゃない。あんたのことですよ。ご亭主は言っては何だが、商売のことじゃ考えが甘かった。店をつぶしたのは身から出たサビでね。仕方ない」[藤沢周平*時雨みち|1981]

[解説] 「身」は刀の身(刀身)とわが身を、「錆」は金属の錆と不名誉な悪しき事態を、それぞれかけています。表面に付着した錆なら、砥石で研いで落とすことができますが、刀身の深いところから生じたものの場合手のほどこしようがありません。比喩としては、誰のせいでもなく、わが身が招いた災厄なので逃れようがなく、その報いを受けるのは致し方ないということになります。かなり手厳しい表現ですが、多くの場合、それなりの根拠があって批判する文脈で使われます。立場をかえて本人が自らいうと、心から悔やんで、すべての責任を認め、結果を引き受ける覚悟を示すことになるでしょう。
 戦国時代からの古いことわざで、江戸のいろはかるたに採用されて広く親しまれ、今日でもよく使われます。ちなみに、かるたの絵札には、刀を抜いて刀身を見つめる浪人者や刀屋が描かれるのが通例でした。

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