軟化栽培(読み)ナンカサイバイ

デジタル大辞泉 「軟化栽培」の意味・読み・例文・類語

なんか‐さいばい〔ナンクワ‐〕【軟化栽培】

茎・葉に土を盛ったり日光を遮る覆いをかぶせたりして野菜軟化させる栽培法。ウド・アスパラガス・ミツバ・ネギなどに適用。軟化法。

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精選版 日本国語大辞典 「軟化栽培」の意味・読み・例文・類語

なんか‐さいばいナンクヮ‥【軟化栽培】

  1. 〘 名詞 〙 土寄せ、密植など種々の方法によって日照制限または遮断したり、加温などによって白くてやわらかく苦味のない疏菜を得る栽培方法。ウド、ミツバ、ネギ、セロリ、アスパラガスなど多くの疏菜で行なわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「軟化栽培」の意味・わかりやすい解説

軟化栽培 (なんかさいばい)

収穫物の品質を高める目的で,野菜を暗黒下または弱光下で生育させて,黄化,徒長させる栽培方法。軟白栽培ともいう。軟化によってできた野菜は〈もやし〉と呼ばれることがあり,普通に光をあてたものに比べると,組織の分化が不十分で機械組織も発達していないので,軟らかく,もろい。また,葉緑素ができないので黄白色または白色になり,種類によっては特有の風味がでてくる。キャベツやハクサイのように結球することによって光が遮られ自然に軟化が起こる場合もあるが,普通は軟化させるために,畑で根ぎわに土寄せしたり,萌芽前の根株の上に盛土したりして光を遮るか,根株や種子を人工的な暗所で萌芽させる。人工的な暗所で軟化される野菜には,前年畑で養成した根株や地下茎から萌芽してきた若芽を軟化するウド,ミツバ,ニラ,ボウフウ,サトイモ,ショウガ,ミョウガなどと,種子からの芽生えを軟化するダイズ,リョクトウがある。また,畑で土寄せや盛土などを行って軟化される野菜には,根深ネギ,ワケギ,アスパラガス,ウド,リーキなどがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軟化栽培」の意味・わかりやすい解説

軟化栽培
なんかさいばい

野菜類を遮光して育てると葉緑素の形成が悪く黄白化し、軟弱に育つ。これを軟化栽培という。軟化栽培は欧米でかなり古くから行われ、日本でも江戸時代にすでに行われていた。1842年(天保13)に幕府はウド、ボウフウ、メイモの軟化栽培に対してぜいたくであるとして禁止令を出した記録がある。現在は前記作物のほかにショウガ、アスパラガス、ミツバ、セロリ、ネギ、アサツキなどで軟化栽培が盛んである。軟化野菜は繊維組織の発達が悪く、柔組織が多くなるため柔軟多汁質となる。またデンプンが少なく、糖が増え、特有の辛味、苦味、あく味、香味などが淡くなり、風味が淡泊佳良になる。しかしビタミンなど栄養価は減少する。

[星川清親]


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百科事典マイペディア 「軟化栽培」の意味・わかりやすい解説

軟化栽培【なんかさいばい】

日光,風をさえぎって野菜を軟白にする栽培法。ネギ,ウド,アスパラガス,セロリ,ミツバなどで行われる。柔軟・多汁で独特の風味をもつ。→もやし

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栄養・生化学辞典 「軟化栽培」の解説

軟化栽培

 野菜類の栽培法の一つで,日光を当てないで生育させる方法.ウド,アスパラガスなどで使われる.

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