明治〜昭和期の日本史学者,仏教史家 東京帝国大学史料編纂所初代所長・名誉教授;文化財専門審議会会長。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
大正・昭和期の歴史学者。兵庫県姫路生れ。1899年,東京帝国大学文科大学国史科を卒業,同年同大学院へ進んだが,研究題目とした〈政治の方面より観察したる日本仏教史〉は,そのまま生涯を通じての学問的課題となった。古代から明治に及ぶ辻の多彩な日本仏教史研究は,堅固な実証主義的方法で貫かれ,政治はもとより社会・文化史的観点を重視することで,それまでの教団史的水準を克服した画期的業績であった。研究の集大成をなす《日本仏教史》全10巻(1944-55)のほか,《日本仏教史の研究》正・続(1919,31),《日本文化史》全7巻(1948-50)など多数の著書がある。また,その間,1902年の史料編纂掛入り以来,長く史料編纂事業に従事し,初代史料編纂所長を務めた。11年東京帝国大学助教授,23年に教授となり,38年定年退官。32年帝国学士院会員。52年文化勲章を受章する。なお,《田沼時代》(1915)は,小品ながら辻の卓抜した史眼を示し,今日の近世史研究の礎石をなすものといえよう。
執筆者:今井 修
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歴史学者。明治10年4月15日、兵庫県姫路(ひめじ)に生まれる。第一高等学校、帝国大学文科大学国史科を卒業(恩賜懐中時計拝領)。帝国大学史料編纂(へんさん)員、同史料編纂官となり、1911年(明治44)東京帝国大学文科大学助教授(兼任)、1920年(大正9)史料編纂掛事務主任(後の史料編纂所長)、1923年東京帝国大学教授(兼任)、1938年(昭和13)停年退官。その間、史料採訪のため全国に出張、後進を指導して、今日の史料編纂所の基礎を築くとともに、文化史・仏教史に大きな業績を残し、史料の保存・出版などに活躍した。帝国学士院会員。1952年(昭和27)文化勲章受章。熱心な真宗信者であった。昭和30年10月13日死去。おもな著書に『日本仏教史』10巻(1944~1955・岩波書店)、『日本文化史』7巻・別録4巻(1948~1953・春秋社)などがある。
[益田 宗 2017年9月19日]
『『辻善之助博士自歴年譜稿』(1977・続群書類従完成会)』
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1877.4.15~1955.10.13
明治~昭和期の歴史学者。兵庫県出身。東大卒。日本仏教史の研究に従事。1920年(大正9)史料編纂掛事務主任となり,同掛の大幅拡張を実現,「大日本史料」各編の一斉出版を開始した。のち東京帝国大学教授。29年(昭和4)史料編纂所初代所長。退官後は文化財専門審議会会長などを務めた。著書「日本仏教史」「日本文化史」。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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