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逆滴定 ぎゃくてきてい

大辞林 第三版の解説

ぎゃくてきてい【逆滴定】

滴定法の一。試料中の目的成分に対して過剰の標準溶液の一定量を加え、反応せずに残った過剰量を別の標準溶液で滴定することによって、間接的に目的成分の定量を行う方法。目的成分と標準溶液との反応が遅い場合などに行われる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

逆滴定
ぎゃくてきてい
back titration

容量分析における滴定操作の一つ。残余滴定あるいは余剰滴定ともいう。対象となる試料に対して過剰になるように標準溶液(標準液)の既知量を加え、反応を完結させたのち、その過剰量を第二の標準溶液で滴定して、初めの反応に要した標準溶液の量を求め、試料の定量を行う方法。一種の間接滴定法である。試料と標準溶液との間の反応速度が遅い場合とか、化学平衡が速やかに達成されない場合とか、適当な指示薬が選べない場合に有効な滴定法で、実際の分析操作でもしばしば用いられる。
 中性ないしは微酸性の塩化物、臭化物、ヨウ化物の滴定はモール法(指示薬にクロム酸塩を用いて、中性または微酸性溶液中の塩化物イオンあるいは臭化物イオンを銀イオンで滴定する方法)や吸着指示薬法(当量点を過ぎて沈殿への吸着がおこる際に呈色反応を示す物質を用いた方法)が利用できるが、酸性溶液中のこれらの化合物の銀滴定は行えない。このような場合は硝酸銀標準溶液を過剰に加えて銀塩を沈殿させ、過剰の硝酸銀を鉄ミョウバン(硫酸鉄()アンモニウムNH4Fe(SO4)212H2O)を指示薬としてチオシアン酸アンモニウム標準溶液で滴定する方法がある。これをフォルハルト法といい、酸性溶液中でのハロゲンの滴定に応用される。ただし、塩化物の滴定では、いったん生成した塩化銀を濾過(ろか)し、濾液に鉄ミョウバン指示薬を加えてチオシアン酸アンモニウム標準溶液で滴定するほうが終点指示が鋭敏になるようである。[成澤芳男]
『コルトフ編著、藤原鎮男監訳「容量分析及び電気分析」(『分析化学5』所収・1975・広川書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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