透閃石(読み)トウセンセキ(その他表記)tremolite

精選版 日本国語大辞典 「透閃石」の意味・読み・例文・類語

とう‐せんせき【透閃石】

  1. 〘 名詞 〙 角閃石の一つ主成分カルシウムマグネシウム珪素酸素アルカリ金属アルミニウムを含まない。単斜晶系。ふつう白または淡色ガラス光沢を有し、変成岩中に産する。透角閃石。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「透閃石」の意味・わかりやすい解説

透閃石
とうせんせき
tremolite

角閃石(かくせんせき)の一種で、透角閃石ともいう。多く繊維状ないし針状で、まれに柱状の結晶をなす。とくに微細な繊維状結晶が密に集合して塊状を呈すると強靭(きょうじん)になる。いわゆる軟玉の一部がこれにあたる。石灰質、苦灰質岩起源の接触変成岩、塩基性岩起源の広域変成岩、超塩基性岩起源の変成岩中に産する。鉄の含有量が増加すると、緑閃石アクチノ閃石)、さらに鉄緑閃石(フェロアクチノ閃石)になる。英名は、原産地スイスのトレモラ・バレーTremola Valleyに由来する。

松原 聰]


透閃石(データノート)
とうせんせきでーたのーと

透閃石
 英名    tremolite
 化学式   Ca2Mg5Si8O22(OH)2
 少量成分  Fe2+,Mn2+
 結晶系   単斜
 硬度    5~6
 比重    2.9~3.1
 色     無,白,淡緑,淡褐
 光沢    ガラス~絹糸
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)
 その他
 透閃石   Mg/(Mg+Fe2+)=1.0~0.9
 緑閃石   Mg/(Mg+Fe2+)=0.9~0.5
 鉄緑閃石  Mg/(Mg+Fe2+)=0.5~0

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最新 地学事典 「透閃石」の解説

とうせんせき
透閃石

tremolite

化学組成Ca2Mg5Si8O22(OH)2,透閃石-縁閃石系列の端成分鉱物。化学式において一般式をA01B2C5T8O22(OH,F,Cl)2として,Bが(Ca+Na)≧1.34, ここにNa<0.67, Aが(Na+K)<0.5, TにおいてSi≧7.5, CにおいてMg/(Mg+Fe2)≧0.9である組成範囲を透閃石と呼ぶ。縁閃石と連続固溶体をなす。トレモライトとも。単斜晶系,空間群C2/m, 格子定数a0.982nm, b1.805, c0.528, β104.6°, 単位格子中2分子含む。無色または灰色,劈開面{110}完全。硬度5~6,比重2.99。c軸にのびた長柱状または繊維状(アスベスト状)結晶の集合体。薄片では無色,屈折率α1.599~1.612, γ1.625~1.637, 光軸面(010),2Vx80°~86°。苦灰岩の接触または広域変成作用によって生成。スイスのSt.Gotthard山の南側,Tremola谷にちなむ。透角閃石とも。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「透閃石」の意味・わかりやすい解説

透閃石
とうせんせき
tremolite

単斜晶系の鉱物。 Ca2Mg5Si8O22(OH,F)2 。マグネシウムと鉄(II)の置換によって陽起石と連続固溶体をなす。比重3,硬度6。純粋の透閃石はマグネシウムが多いためドロマイト (苦灰石) が低度の変成作用を受けたときなど特殊な場合にできる。

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