デジタル大辞泉
「軟玉」の意味・読み・例文・類語
なん‐ぎょく【軟玉】
硬度が比較的低い玉の一。緑閃石または透閃石からなり、古くから飾り石や工芸品に用いられた。→硬玉
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なん‐ぎょく【軟玉】
- 〘 名詞 〙
- ① やわらかい玉(ぎょく)。
- ② 細かい繊維状角閃石から成る緻密な岩石。透閃石質のものは白色、透緑閃石質のものは暗緑色で、いずれも半透明で磨くと温順な光沢を発し、古くから玉の一種として装飾・工芸品に用いられてきた。輝石から成る硬玉に比してやわらかいためにこの名がある。〔鉱物字彙(1890)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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軟玉
なんぎょく
nephrite
古来、玉の一種として貴ばれた、透閃石(とうせんせき)あるいは緑閃石からなる鉱物。繊維状結晶が密に絡み合っているため緻密(ちみつ)で強靭(きょうじん)な石質である。しかし硬玉(ひすい)に比べると柔らかく細工しやすい。白ないし暗緑色で、広域変成岩に伴われる超塩基性岩中に塊状をなして産する。主産地は中国、ニュージーランド、オーストラリア、カナダなどで、日本では岐阜県高山市木地屋(きじや)、新潟県小滝(こたき)川および姫川流域などが知られている。しばしば「~ひすい」と称して売られているものの多くがこの軟玉である。英名はラテン語の腎臓(じんぞう)石を意味する語から由来する。かつて腎臓病除(よ)けとしてこの石が使われていたらしい。
[松原 聰]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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軟玉【なんぎょく】
ネフライトとも。古くより中国,朝鮮,日本などで飾石として珍重されてきた玉(ぎょく)の一種。透セン石,陽起石(アクチノセン石)の結晶の緻密(ちみつ)塊状集合体として産するもの。ガラス光沢があり,みがくと油脂光沢を発する。硬度6〜6.5。主産地はニュージーランド,シベリア,カナダ,米国のワイオミング,アラスカの両州など。新疆ウイグル自治区のホータン産の玉は軟玉である。
→関連項目ホータン
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軟玉
なんぎょく
jade; nephrite
ネフライト。翡翠のなかで硬度の低いもの。硬度は6~6.5で,構成鉱物は陽起石,透閃石などがおもなもの。半透明乳白色ないし深緑色。鉄やマンガンによって黄,茶,橙,青,紫色を呈したものもある。石器時代から工芸品,装身具の原石として世界各地で用いられた。硬玉に対する語。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の軟玉の言及
【ネフライト】より
…アクチノセン石および透セン石のようなカルシウムに富む角セン石の微細結晶の緻密な集合体。軟玉ともいう。乳白色,灰色,淡黄緑色,深緑色など種々の色彩を示し,半透明蠟感をもつ。…
【ヒスイ(翡翠)】より
…鉱物学的には[ヒスイ輝石](ジェダイトjadeite)の微細結晶の集合物である場合と,角セン石の微細結晶の集合物である[ネフライト]nephriteである場合とがある。前者を硬玉,後者を軟玉と呼ぶ。前者はモース硬度6.5~7,普通は半透明,不透明だが良質のものは透明に近く,希少性とともに珍重される。…
※「軟玉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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