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通州事件 つうしゅうじけん

百科事典マイペディアの解説

通州事件【つうしゅうじけん】

1937年7月29日中国の北京近郊の通州で起こった中国人保安隊による日本人殺害事件。通州は塘沽(タンクー)停戦協定で非武装地帯であったが,日本軍は中国軍小部隊の駐屯を黙認していた。盧溝(ろこう)橋事件後この小部隊撃退に向かった飛行機が,日本の傀儡(かいらい)政権である冀東政権(冀東防共自治政府)の保安隊を誤爆した。そのため保安隊・軍隊が日本軍を攻撃,在留の軍人や居留民約200名(うち約半数は朝鮮人)を殺害。中国側の正式謝罪,慰藉(いしゃ)金支払いで落着。

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世界大百科事典 第2版の解説

つうしゅうじけん【通州事件】

日中戦争勃発当初の1937年7月29日に日本の傀儡政権で北京のすぐ東の通州にある冀東(きとう)防共自治政府の保安隊が挙兵し,同地の日本軍人や居留民を襲撃・殺害した事件。蘆溝橋事件ののち日本軍が7月28日に華北で総攻撃を開始すると,日本軍飛行機は通州の近くの中国軍兵営を爆撃するとともに通州保安隊兵舎を誤爆して死傷者をだした。通州の保安隊のなかにもかねて抗日救国の意識が広がっていたが,この事件で刺激されて翌29日未明に挙兵した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

通州事件
つうしゅうじけん

日本の華北(かほく)支配に対する中国軍の抵抗事件。日本の傀儡(かいらい)政権冀東(きとう)防共自治政府のある河北省通州は、塘沽(タンクー)協定により非武装地帯とされていたが、宋哲元麾下(そうてつげんきか)の第29軍の一部隊の駐屯が黙認されていた。盧溝橋(ろこうきょう)事件により、日本軍は1937年(昭和12)7月27日、第29軍掃討のため通州を爆撃、自治政府保安隊に大きな被害を与えた。このため保安隊は自治政府に反乱を起こし、第29軍とともに日本軍守備隊を攻撃、同政府長官殷汝耕(いんじょこう)を捕らえたほか、在留日本人・朝鮮人二百数十人を殺害した。反乱は日本軍により1日で鎮圧され、自治政府の謝罪、慰藉(いしゃ)金の支払いなどで解決したが、日本では中国側の暴虐として過大に宣伝された。[岡部牧夫]
『今井武夫著『支那事変の回想』(1964・みすず書房)』

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世界大百科事典内の通州事件の言及

【領事館】より

…37年12月1日〈満州国〉における領事裁判権が撤廃されたので,1300名の外務省警察官は〈満州国〉に移籍され,同年11月末現在で領事館警察官は暹羅(シヤム)1名および中華民国579名であった。領事館警察は中国各地に配置され多くの事件に関与したが,なかには領事館警察官全員6名が戦死する通州事件も起こっている。敗戦により領事館警察は廃止され,当時3400名の警官は居留民保護に任じつつ帰国した。…

※「通州事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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