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通貨主義(読み)ツウカシュギ

デジタル大辞泉の解説

つうか‐しゅぎ〔ツウクワ‐〕【通貨主義】

1830~40年代に英国で唱えられた通貨論争における主張の一。物価は通貨の量の増減によって騰落するから、銀行券の発行は金の流出入に応じて規制する必要があるとした。→銀行主義

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百科事典マイペディアの解説

通貨主義【つうかしゅぎ】

1830年−1840年代に英国で行われた通貨金融に関する論争で,銀行主義に対立する見解。通貨主義者は,イングランド銀行券などの通貨の過剰発行が物価の高騰および金価格の騰貴をもたらすと考え,金を保証準備にして銀行券を発行すべきであると主張した。銀行の保有する金が増加すれば,銀行は一定の銀行券を増加発行する。そのもとでは財・サービスの比例的増加がないかぎり物価は高騰して外国からの輸入を増加させ,金は国外に流出する。金の減少は銀行券発行を収縮させ,物価は下落する。1844年英国議会はこの主張を受け入れてピール銀行法を成立させ,その後の金本位制の基礎をつくりあげた。

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大辞林 第三版の解説

つうかしゅぎ【通貨主義】

1830~40年、イギリスの通貨論争における主張の一。兌換だかん銀行券発行は正貨(金)によって規制されるべきであるとする考え方。 ⇔ 銀行主義

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

通貨主義
つうかしゅぎ
currency principle

通貨論争に際して銀行主義と対立した考え方。S・J・ロイド、G・W・ノーマン、R・トレンズ、R・ピールらによって主張された。通貨の発行量を貴金属量に一致させるべきだと説く。D・リカードによる貴金属の国際的配分、金本位の自動調節作用、貨幣数量説を継承した政策論で、ピール銀行条例(1844)として具体化された。[鈴木芳徳]

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世界大百科事典内の通貨主義の言及

【発券制度】より

…それ以前,イギリスにおいてはイングランド銀行のほか多数の地方銀行がそれぞれに銀行券を発行しており,発行限度額や兌換(だかん)準備については各銀行の独自の判断に任されていた。しかし,1830年代の恐慌時に多額の金が国外に流出し,イングランド銀行の金準備が不足するに至り,発券制度のあり方について検討の気運が高まり,通貨主義と銀行主義(〈通貨主義・銀行主義〉の項参照)の両者の立場の間で激しい議論が起こった。このときは結局,銀行券の過剰発行を避けるため国家によって銀行券発行高を厳重に制限する必要があるとする通貨主義の立場から,イングランド銀行は正貨(金)準備に見合う金額のほか,1400万ポンドに限って国債などの有価証券を保証物権として保証発行fiduciary issueを行うという保証発行直接制限制度が採択された。…

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