進行性筋萎縮症(読み)シンコウセイキンイシュクショウ

デジタル大辞泉 「進行性筋萎縮症」の意味・読み・例文・類語

しんこうせい‐きんいしゅくしょう〔シンカウセイキンヰシユクシヤウ〕【進行性筋萎縮症】

脊髄または末梢神経変性が起こって筋肉萎縮し、運動機能が失われていく慢性病気。中年以後の男性に多く、両手や肩に発病し、腰や両脚に広がる。原因は不明。

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精選版 日本国語大辞典 「進行性筋萎縮症」の意味・読み・例文・類語

しんこうせい‐きんいしゅくしょうシンカウキンヰシュクシャウ【進行性筋萎縮症】

  1. 〘 名詞 〙 多く中年より始まる神経疾患で、主として四肢の末梢部よりほぼ左右対称に筋肉の萎縮を示し、ついで筋力低下を起こすようになる。罹患部位により、脊髄性進行性筋萎縮症、末梢神経筋萎縮症筋萎縮性側索硬化症に分けられる。筋萎縮性側索硬化症は難病に指定されている。

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百科事典マイペディア 「進行性筋萎縮症」の意味・わかりやすい解説

進行性筋萎縮症【しんこうせいきんいしゅくしょう】

筋萎縮がほぼ左右対称性に徐々に進行する病気。脊髄性進行性筋萎縮症と神経性筋萎縮症のほかに,筋萎縮性側索硬化症を含めることがある。脊髄性進行性筋萎縮症は,20歳以後に発病し,男性に多い。脊髄から出る運動神経繊維の変性により,手先の筋から萎縮が始まり,上・下肢躯幹(くかん)の骨格筋にも及ぶ。末期には筋萎縮性側索硬化症と同様の症状を呈するため,同病の一種とする説もある。神経性筋萎縮症は,20歳前に発病し,下肢の筋肉の萎縮から始まり上肢に及ぶが,脊髄性のものと異なり知覚障害を伴う。筋萎縮性側索硬化症は,錐体路と,前角細胞の変性により,四肢の筋萎縮とともに,痙性麻痺(けいせいまひ)が起こる。延髄に病変が及ぶと,呼吸障害を生じて死亡する。いずれも治療には原因療法はなく,対症療法のみ。→筋萎縮症
→関連項目筋萎縮性側索硬化症

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「進行性筋萎縮症」の意味・わかりやすい解説

進行性筋萎縮症
しんこうせいきんいしゅくしょう
progressive muscle atrophy

四肢や躯幹の骨格筋が進行性に脱力,萎縮を起す疾患群。筋肉自体に原因のあるものとして,筋ジストロフィーと萎縮性筋緊張症がある。また,筋肉を支配する神経に原因のあるものとして,筋萎縮性側索硬化症 (上位および下位運動神経の障害) ,脊髄性進行性筋萎縮症 (下位運動神経の脊髄前角の障害) ,神経性進行性筋萎縮症 (下位運動神経の末梢性の障害) がある。これらの各疾患には,侵される筋肉群の分布にそれぞれ特徴があるし,発病年齢や遺伝性にも特色がみられる。たとえば,筋ジストロフィーでは主として躯幹に近い近位筋が侵されるが,神経性筋萎縮症では,四肢の筋肉のような遠位筋が侵されやすい。遺伝性については,筋ジストロフィー,萎縮性筋緊張症,神経性進行性筋萎縮症では明らかで,脊髄性進行性筋萎縮症には一部にみられる。また,けいれんは筋萎縮性側索硬化症,脊髄性進行性筋萎縮症にみられるが,他の病型にはみられない。知覚障害は神経性進行性筋萎縮症のみにみられるなど,臨床症状にもそれぞれ特徴がある。どの疾患も徐々ではあるが進行性で,原因不明のため,効果的な治療法がない。ビタミン剤,代謝改善剤などが用いられ,物理療法も試みられるが,予後は不良である。

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栄養・生化学辞典 「進行性筋萎縮症」の解説

進行性筋萎縮症

 →進行性筋ジストロフィー

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