逸見石(読み)へんみせき(その他表記)henmilite

最新 地学事典 「逸見石」の解説

へんみせき
逸見石

henmilite

化学組成Ca2Cu(OH4[B(OH)42鉱物三斜晶系,空間群,格子定数a0.57617nm, b0.79774, c0.56488, α109.611°, β91.473°, γ83.686°, 単位格子中1分子含む。青紫色,透明,ガラス状光沢条痕淡紫色。c軸方向にのびた{100}面の発達した厚板状晶,比重2.51。屈折率α1.584, β1.609, γ1.618, 二軸性負,2V58°, 多色性大。原産地は岡山県布賀。原記載では結晶質石灰岩を切る五水灰ほう石脈から産出。その後,ゲーレン石,スパー石スカルンと結晶質石灰岩との境界部の方解石脈の間隙に,黒銅鉱・方蒼鉛石などと共生して径2~3mmの自形結晶が見いだされた。鉱物学者,逸見吉之助・逸見千代子にちなむ。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

関連語 劈開 参照 項目

日本大百科全書(ニッポニカ) 「逸見石」の意味・わかりやすい解説

逸見石
へんみいし
henmilite

ホウ酸塩鉱物の一つ。1986年(昭和61)中井泉(いずみ)(1953― )らによって報告された新鉱物。岡山県備中(びっちゅう)町(現、高梁(たかはし)市備中町)布賀(ふか)鉱山閉山)の再結晶石灰岩の採掘場から発見され、方解石、ペンタヒドロボライトpentahydroborite(化学式Ca[B2O(OH)6]・2H2O)、ブルース石と共存する。自形は鋭角的に交差する基本的な卓面からなる三斜立体。このほかに銅を主成分として含むホウ酸塩鉱物は、バンディ石bandylite(Cu[Cl|B(OH)4])が知られるのみであるが、両者ともB(OH)4というホウ素ヒドロキシ基四面体を基本基としてもっている。ただし逸見石はおそらく熱水起源、バンディ石は乾燥気候に恵まれた銅鉱床の二次鉱物で、この基本基を含むホウ酸塩の生成温度領域の広さがうかがえる。命名は鉱物学者の逸見吉之助(きちのすけ)(1919―1997)にちなむ。

加藤 昭 2018年7月20日]


逸見石(データノート)
へんみいしでーたのーと

逸見石
 英名    henmilite
 化学式   Ca2Cu2+[(OH)2|B(OH)4]2
 少量成分  ―
 結晶系   三斜
 硬度    2
 比重    2.52
 色     青紫
 光沢    ガラス
 条痕    淡紫
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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