遠別(読み)えんべつ

精選版 日本国語大辞典 「遠別」の意味・読み・例文・類語

えん‐べつヱン‥【遠別】

  1. 〘 名詞 〙 遠く離れて別れること。
    1. [初出の実例]「鶏鳴枕肱臥、閑思遠別嗟」(出典菅家文草(900頃)五・仮中書懐詩)
    2. [その他の文献]〔白居易‐対酒示行簡詩〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「遠別」の意味・わかりやすい解説

遠別(町)
えんべつ

北海道北西部、留萌(るもい)振興局管内の町。日本海に臨む。1949年(昭和24)に町制を施行した。国道232号が通じている。旧国鉄羽幌(はぼろ)線は1987年(昭和62)廃止、バスに転換された。天塩(てしお)山地の西斜面にあたり、町域の約87%は森林国有林が広く、天然広葉林が多い。遠別川の河谷平野は約20キロメートルにわたって水田地帯で、日本最北の米どころであるが、米の生産調整によりアスパラガス、メロン栽培などとの複合経営が営まれる。海岸沿いでは酪農のほかホタテガイ、ヒラメなどの漁業が行われる。日本海に利尻(りしり)富士(利尻島利尻山別名)を望む地に富士見ヶ丘公園がある。面積590.80平方キロメートル、人口2520(2020)。

岡本次郎


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改訂新版 世界大百科事典 「遠別」の意味・わかりやすい解説

遠別[町] (えんべつ)

北海道北部,留萌支庁天塩郡の町。人口3084(2010)。日本海に面する。天塩山地の西斜面にあたり,遠別川が北西に流下する。町域の8割は国有林を主とする森林で,天然広葉林が多い。藩政時代からニシン漁が行われていたが,開拓入植は1896年植民区画が行われて,翌年の愛知・越前両団体の入地と小作農場の開設に始まる。早くも1897年に水稲が試作され,1900年代に定着し,今日では遠別川の河谷平野は20km上流部まで水田地帯となっていて,日本最北の水稲主産地を形成している。海岸沿いの地域では酪農が行われている。天然ガス発掘の際1972年に湧出した旭温泉(炭酸鉄泉,25~34℃)は第三セクターの健民・研修センターとなっている。
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百科事典マイペディア 「遠別」の意味・わかりやすい解説

遠別[町]【えんべつ】

北海道北部,天塩(てしお)郡の町。大半が山地で,日本海沿いは泥炭で酪農地帯。中心集落はニシンの漁場として開けた。米作北限といわれ,冷害を受けやすい。天然ガスの開発が行われている。590.80km2。3084人(2010)。

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普及版 字通 「遠別」の読み・字形・画数・意味

【遠別】えんべつ

遠い別れ。

字通「遠」の項目を見る

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