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霧島山 きりしまやま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

霧島山
きりしまやま

宮崎県鹿児島県の県境にある火山群活火山で,常時観測火山最高峰韓国岳(1700m)をはじめ,高千穂峰(1574m),新燃岳(1421m)など大小二十余の楯状火山臼状火山砕屑丘),鐘状火山溶岩円頂丘),円錐状火山(成層火山)のほかに,火口湖などがあり,複雑さは世界でも珍しい。有史以来,おもに高千穂峰の寄生火山である御鉢と新燃岳で噴火を繰り返しており,延暦7(788)年,文暦1(1235)年には御鉢で,享保1(1716)年には新燃岳で大規模なマグマ噴火があった。近年も火山活動は続いており,2011年には新燃岳が数回にわたり噴火した。高千穂峰,火口壁の北部が大きく欠けた韓国岳,千古の伝説を秘める大浪池など,火山群の自然美のほか,桜島九州山地の眺望がすばらしい。植生では,山頂付近のミヤマキリシマ群落が特に有名。山地の中腹や周辺には温泉が多く,霧島温泉郷えびの高原が観光の中心。霧島錦江湾国立公園に属し,JR日豊本線の霧島神宮駅,吉都線(きっとせん)の小林駅が表裏の玄関口。

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百科事典マイペディアの解説

霧島山【きりしまやま】

宮崎・鹿児島両県にまたがる活火山群。霧島連峰などともよばれる。最高峰は韓国(からくに)岳(1700m),次いで高千穂(たかちほ)峰(1574m)で,ほかにも新燃(しんもえ)岳(1421m)など標高1000mを超える火山が20座以上密集している。
→関連項目九州山地霧島[町]霧島屋久国立公園栗野[町]日本百名山宮崎[県]

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世界大百科事典 第2版の解説

きりしまやま【霧島山】

鹿児島県と宮崎県の県境付近にある火山群。北西~南東方向に伸びる楕円状の地域(長径約30km,短径約20km)に大小20余りの火山体や火口が存在する。韓国(からくに)岳(1700m)を最高峰に,標高1300mをこえる山体は10以上におよぶ。中生代堆積岩類(四万十層群)および第三紀安山岩類を基盤として,第四紀初頭に噴火活動が始まった。初期の活動では,現在の韓国岳付近を噴出中心としておもに安山岩質溶岩(栗野安山岩類)が流出し,標高1000m以上に達する広大な楯状火山が生じた。

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大辞林 第三版の解説

きりしまやま【霧島山】

宮崎県と鹿児島県にまたがる火山群。海抜1700メートルの韓国岳からくにだけを最高峰に高千穂峰たかちほのみねなど二二の火山から成る。ミヤマキリシマの群落がある。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔宮崎県(鹿児島県)〕霧島山(きりしまやま)


宮崎・鹿児島県境に連なる霧島火山群の総称。韓国(からくに)岳(標高1700m)を主峰とし、高千穂峰(たかちほのみね)・新燃(しんもえ)岳など20を超す成層火山・寄生火山・砕屑(さいせつ)丘・火口湖が集まる。深田久弥(ふかだきゅうや)「日本百名山」の一つ。有史以来、高千穂峰西腹の御鉢(おはち)と新燃岳がたびたび火山活動を繰り返した。新燃岳は1991年(平成3)に小噴火し、火山活動が断続していたが、2011年には爆発的噴火を起こし、多くの被害が発生した。山頂近くにはミヤマキリシマ・ドウダンツツジの群落、中腹にはシイ・モミ・アカマツなどが茂る。えびの高原のノカイドウ自生地は天然記念物。野生のイノシシ・ニホンジカなどが生息。1934年(昭和9)3月、日本最初の国立公園選定地の一つで、現在は霧島屋久(やく)国立公園に属する。えびの高原経由で霧島バードラインが縦断。南側山腹の霧島温泉郷ほか随所に温泉がわき、四季折々の景観とともに多くの観光客を集める。天孫降臨(てんそんこうりん)神話に彩られ、山岳信仰も盛ん。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

霧島山
きりしまやま

宮崎・鹿児島両県にまたがり、おもに安山岩からなる活火山。西日本火山帯の火山フロント(前線)上に位置する。加久藤(かくとう)カルデラの南縁部に生じた20を超える安山岩の小型の成層火山・砕屑丘(さいせつきゅう)からなる火山群である。高千穂峰(たかちほのみね)(1574メートル)、中岳(なかだけ)、大幡山(おおはたやま)、韓国(からくに)岳(1700メートル)、御鉢(おはち)(高千穂峰の西)、新燃(しんもえ)岳(1421メートル)などがある。また、大浪池(おおなみいけ)、大幡池、御池(みいけ)、六観音(ろっかんのん)池など多くの火口湖がある。えびの高原と南西側山腹に温泉・地熱地帯があり、とくに、えびの高原の硫黄(いおう)山では活発な噴気活動がみられる。
 四万十(しまんと)層群と、その上に重なっている第三紀火山岩が霧島火山群の基盤となっており、約30万年前に大噴火して形成された加久藤カルデラの南縁に形成された。完新世に入ってから大幡池や御池などの噴火があった。有史後は、おもに御鉢と新燃岳で噴火を繰り返してきた。御鉢は1923年(大正12)の噴火以来穏やかである。一方、新燃岳では2008年(平成20)8月や2010年3月~7月にかけて小規模な水蒸気爆発が発生し、2011年1月には300年ぶりの本格的なマグマ噴火が発生した。噴煙高度は火口上空約7キロメートルに達し、その後、火口は溶岩に満たされた。噴火は断続的に2011年9月まで続いた。噴出量は火山灰が約2000万立方メートル、溶岩が約1400万立方メートル(マグマ換算では合計約2500万立方メートル)。この噴火に先だち、えびの高原の地下を中心とする山体膨張がGPS(全地球測位システム)でとらえられており、2011年1月の噴火によっていったん収縮したものの、ふたたび、えびの高原の地下を中心とする膨張現象が観察された。再噴火の可能性が指摘されていたが、2012年に入り、膨張現象は収まった。東京大学や防災科学技術研究所などの協力のもと、気象庁が火山監視を行っている。
 霧島山は古代においては天孫降臨説話の舞台とされ、高千穂峰の山頂には天孫降臨に際して逆さにつきたてたという天ノ逆鉾(あまのさかほこ)が建てられている。古くから山岳信仰の対象となっており、神社の拝殿が噴火によって焼失したなどの記録が多い。霧島錦江湾(きんこうわん)国立公園の中心地であり、2010年には「霧島ジオパーク」として日本ジオパークに指定された。[中田節也]
 植物は、700メートル以下は常緑広葉樹、800~1000メートルでは上部はアカマツ、下部はモミが主体で、1300メートル以上は落葉広葉樹、低木になり、ミヤマキリシマ、ヤシャブシなどがあり、とくに5月のミヤマキリシマの開花期はすばらしい。えびの高原のノカイドウ自生地は国指定天然記念物。温泉や噴気孔に富み、林田(はやしだ)、えびの高原、丸尾などの温泉郷が点在している。[諏訪 彰]
『中村治三郎監修『霧島山』(1962・中村英数学園)』

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