重追放(読み)ジュウツイホウ

デジタル大辞泉 「重追放」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ついほう〔ヂユウツイハウ〕【重追放】

江戸時代刑罰の一。追放刑の中で最も重いもの。関所破り強訴ごうそを企てた者などに科した。田畑家屋敷を没収し、庶民は犯罪地・住国・江戸10里四方に住むことを禁じ、武士の場合は、犯罪地・住国および関八州・京都付近・東海道街道筋などにも立ち入り禁止とした。→軽追放中追放

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精選版 日本国語大辞典 「重追放」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ついほうヂュウツイハウ【重追放】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府追放刑一種。重・中・軽の三追放刑のうち、もっとも重く、御構場所(おかまいばしょ)への立入りを禁じられ、田畑、家屋敷、家財が没収された。〔禁令考‐後集・第四・巻三五・元文五年(1740)五月一〇日〕

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「重追放」の解説

重追放
じゅうついほう

江戸幕府の追放刑の一種。「公事方御定書」によれば,その立入禁止区域の御構(おかまい)場所は,武蔵相模・上野・下野安房上総下総常陸山城摂津和泉・大和・肥前・東海道筋・木曾路筋・甲斐駿河および犯罪者の居住国と犯罪を犯した国とされた。また闕所(けっしょ)が付加され,田畑・家屋敷・家財が没収された。

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世界大百科事典(旧版)内の重追放の言及

【追放】より

…戦国期にも追放刑が多用され,江戸時代に受け継がれて幕府法,藩法,その他旗本など領主法上の制度として定着した。 江戸幕府の《公事方御定書(くじかたおさだめがき)》は6段階の追放刑,すなわち重追放(おもきついほう),中(なかの)追放,軽(かるき)追放,江戸十里四方追放,江戸払(えどばらい),所払(ところばらい)を掲げ,各刑について御構場所(おかまいばしよ)(立入禁止の地域)を定めている。重追放は武蔵,相模,上野,下野,安房,上総,下総,常陸,山城,摂津,和泉,大和,肥前,東海道筋,木曾路筋,甲斐,駿河を,中追放は武蔵,山城,摂津,和泉,大和,肥前,東海道筋,木曾路筋,下野,日光道中,甲斐,駿河を,軽追放は江戸10里四方,京,大坂,東海道筋,日光,日光道中を,それぞれ住居の国および犯行の国とあわせ御構場所とする。…

※「重追放」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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