新撰 芸能人物事典 明治~平成 「野村万之丞」の解説
野村 万之丞(5代目)
ノムラ マンノジョウ
- 職業
- 狂言師(和泉流)
- 肩書
- 和泉流野村万蔵家8代目,京都造形芸術大学教授
- 本名
- 野村 耕介(ノムラ コウスケ)
- 別名
- 別名=野村 万蔵(8代目)(ノムラ マンゾウ)
- 生年月日
- 昭和34年 8月26日
- 出生地
- 東京都
- 経歴
- 7代目万蔵(のち初代萬)の長男。ともに人間国宝の父および祖父の6代目万蔵に手ほどきを受け、3歳の時に「靱猿」の猿で初舞台。昭和45年「三番叟」、60年「釣狐」、平成4年「花子」を披く。この間、昭和63年古典芸能の上演を企画・制作する古今小劇場を設立。平成4年蝸牛の会旗揚げ10周年記念特別公演で、一人狂言「見物左衛門」、希曲「唐人相撲」を上演。5年中世の民族芸能“田楽”を甦らせた「楽劇大田楽」の構成・演出で芸術祭賞を受賞、また聖徳太子時代の仮面劇“伎楽”を復元した「真伎楽」、歌舞伎の元祖とされる「阿国歌舞伎」の公演を行い、古代・中世の芸能復活に取り組んだ。他に長野パラリンピック閉会式の演出と、その模様などを撮影したドキュメンタリー映画「万歳楽」の監督、浜名湖花博催事プロデューサー、NHK大河ドラマ「太平記」「利家とまつ」の考証、現代演劇「千夜一夜物語」の演出・プロデュースなど、狂言という枠を超えた幅広い分野で活躍し、“狂言界の風雲児”とも呼ばれた。15年には京都造形芸術大学教授に就任、演劇人類学を担当。7年5代目万之丞を襲名すると共に万蔵家の8代目当主となる。16年6月44歳の若さで死去。17年1月に8代目万蔵を襲名する予定で、死後追贈された。
- 受賞
- フランス芸術文化勲章シュバリエ章〔平成13年〕 芸術祭賞〔平成5年〕「楽劇大田楽」,織部賞(第1回)〔平成9年〕
- 没年月日
- 平成16年 6月10日 (2004年)
- 家族
- 祖父=野村 万蔵(6代目),父=野村 万(初代 7代目万蔵),弟=野村 万蔵(9代目)
- 親族
- 曽祖父=野村 萬斎(初代 5代目万造),叔父=野村 万作(2代目),野村 四郎(観世流シテ方),野村 万之介,従兄弟=野村 萬斎(2代目),野村 万禄(2代目)
- 伝記
- SA(サクセスフルエイジング)―ひとのゆくえ 竹村 真一 編著(発行元 求竜堂 ’02発行)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報