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金石併用時代 きんせきへいようじだいChalcolithic Period

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金石併用時代
きんせきへいようじだい
Chalcolithic Period

考古学における年代区分の一つ。 1970年代以降,あまり使われなくなった用語。石器時代から金属器時代への過渡期をさすが,厳密には,人類が初めて金属として銅を発見し,石器とともにこれを利器として使用していた時期をいう。それゆえ青銅器が発明されるまでの純銅器時代同義語に使用することもある。エジプトのバダリー期,アムラー期,メソポタミアハラフ期ウバイド期ウルク期イランスーサI期,シアルクI期などがその代表で,銅製の武器,装身具と,石・木製の日常利器といった傾向が認められる。灌漑農耕,轆轤 (ろくろ) の使用,車の発明とともに,富と権力を集中した祭司や戦士階級の発生,神殿を中心とする町邑の形成期と考えられる。日本では,弥生時代に青銅器と鉄器が同時に招来されたので,厳密な意味での金石併用時代は存在しないといえる。しかし,金属器の使用が認められても,まだ石器使用段階として考えられる時期 (たとえば弥生時代初期) にこの語をあてる研究者もある。

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デジタル大辞泉の解説

きんせきへいよう‐じだい【金石併用時代】

考古学上の歴史区分の一。新石器時代から青銅器時代への過渡期にあたり、石器銅器がともに使用された時代。銅器時代。日本では弥生時代にあたる。

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百科事典マイペディアの解説

金石併用時代【きんせきへいようじだい】

新石器時代と金属器時代(青銅器時代以降)の中間の過渡的時代。銅や青銅などの金属と石器が併用されていた時代,青銅の鋳造技術を知る以前の槌打(ついだ)法によって金属器を作っていた時代,との二つの解釈ができ,一般には後者の意に用いられる。
→関連項目三時代区分法

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世界大百科事典 第2版の解説

きんせきへいようじだい【金石併用時代 Chalcolithic】

ギリシア語のchalkos(銅)とlithos(石)の合成語で,石器時代と青銅器時代の中間の時代をさす。たんに銅器時代ともいう。銅の利用は大変古くさかのぼり,今から8000年ほど前にさかのぼる例が,小アジアとイランで知られている。最初は自然銅を打ち延ばしただけのものから出発し,クジャク石などの銅鉱を溶解し,鋳型を用いて鋳造の銅器をつくり,やがてスズとの合金の青銅器を生むに至ったとみられる。しかし,実際上は発掘で得た銅器,青銅器を以上のどの段階の技術のものであるのか,見きわめるのは大変難しい。

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大辞林 第三版の解説

きんせきへいようじだい【金石併用時代】

考古学上の時代区分の一。新石器時代の次、純銅によって利器その他の器具が作られた時代をさす。銅器時代。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金石併用時代
きんせきへいようじだい

利器の材料に金属が用いられてはいても、石製の利器がまだ併用されている時代をいう。ヨーロッパ考古学者は19世紀の末に、こうした時代を表す語としてeneolithic(ラテン語の銅・青銅aeneus+ギリシア語の新石器neo-lithos)――つまり銅・新石器時代――の語を用いたが、それはギリシア語とラテン語の合成語であると反対した学者たちは、chalcolithic(ギリシア語の銅・青銅chalkos+ギリシア語の石lithos)――つまり銅・石器時代――の語を提唱した。しかし周辺諸地域では実用の利器の材料として石の次に銅ないし青銅が用いられず、ただちに鉄が使われる場合がみられる。日本の弥生(やよい)時代に例をとると、実用の利器にはもっぱら鉄が使用され、銅・青銅は象徴的な器具、宝器、装身具(鏡を含めた)などの財に用いられた。銅鏃(どうぞく)などもあるが、原料が量的に限られていたため、その使用も限られていた。三時代法のたてまえからすれば弥生時代は初期の鉄器時代に該当しており、石製の利器も広く行われていた。この事実を知悉(ちしつ)していた浜田耕作は、eneolithic, chalcolithicの語を「金石併用時代」と意訳した。浜田の意訳は、この術語に関する限り、きわめて適切であった。
 時代と時代との間に過渡期が存することを認める学者で、かつ三時代法に依拠する人は、金石併用時代の存在を肯定している。しかし、このような過渡的な時代を認めず、それを新石器時代末期または銅器時代初期(日本の場合には鉄器時代初期)とみなす学者も多い。いずれの場合でも、肯定論、否定論とも、三時代法の延長線上にたっている。学問の世界では、ある用語をそれが便利だからといって認めることは便宜主義に流れるものとして批判される。その意味では、この「金石併用時代」といった概念は、明日の歴史学のためにも厳しく批判さるべき存在といえよう。[角田文衛]
『角田文衞著『古代学序説』(初版・1954/増訂版・1972・山川出版社) ▽G. Daniel A Short History of Archaeology (1981, London) ▽『世界考古学大系第12巻 ヨーロッパ・アフリカI』(1961・平凡社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の金石併用時代の言及

【古代社会】より

…一方,弥生時代には青銅器と鉄器とが石器と併用して作られ使用された。このためにかつては金石併用時代ともよばれ,ヨーロッパのように石器,青銅器,鉄器というように各時代が継起して発展するようなことはなく,石器時代の終末期にあたる弥生時代には青銅器と鉄器とが石器とともに併用されたのである。これは中国,朝鮮ですでに発達していた青銅器文化,鉄器文化が弥生時代にあいついで渡来し,重層的に日本列島内で使用されたためである。…

※「金石併用時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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