針ニッケル鉱(読み)しんにっけるこう(英語表記)millerite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「針ニッケル鉱」の意味・わかりやすい解説

針ニッケル鉱
しんにっけるこう
millerite

ニッケル鉱石鉱物の一つ。中~低温熱水鉱床、ある種の正マグマ性鉱床石灰岩の団塊中、超塩基性岩・塩基性岩中の脈のほか、黒鉱鉱床中からも少量発見された。自形は六角針状で放射状集合をなすこともある。針状を呈さない場合は、劈開(へきかい)の明らかな板状集合体をなす。共存鉱物として、ビオラル鉱ポリディム鉱などがある。日本では兵庫県大屋町(現、養父(やぶ)市大屋町)大屋鉱山閉山)、大分県三重町(現、豊後大野(ぶんごおおの)市三重町)若山鉱山(閉山)などが有名。英名は最初にこれを研究したイギリスの鉱物学者ミラーにちなむ。

加藤 昭 2017年5月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「針ニッケル鉱」の意味・わかりやすい解説

針ニッケル鉱
しんニッケルこう
millerite

NiS六方晶系真鍮色針状結晶の鉱物。放射状に集って産することがある。硬度3~3.5で軟らかく,比重 5.5。金属光沢をもち,条痕は緑黒色。熱水鉱床,塩基性の深成岩鉱脈として産する。

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