鈴木善幸(読み)スズキゼンコウ

デジタル大辞泉 「鈴木善幸」の意味・読み・例文・類語

すずき‐ぜんこう〔‐ゼンカウ〕【鈴木善幸】

[1911~2004]政治家岩手の生まれ。昭和22年(1947)日本社会党から衆議院議員に初当選。その後、保守に転向し自民党郵政大臣・厚生大臣・官房長官などを歴任。同55年、大平首相急死後首相就任。同57年退陣。→中曽根康弘

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鈴木善幸」の意味・わかりやすい解説

鈴木善幸
すずきぜんこう
(1911―2004)

政治家。岩手県山田町に生まれ、水産講習所卒業。水産業界を舞台に活躍し、1947年(昭和22)日本社会党から衆議院議員に当選。その後社会革新党を経て民主自由党へ移る。池田勇人(いけだはやと)内閣の郵政大臣、官房長官、佐藤栄作内閣の厚生大臣、自由民主党(自民党)総務会長などを歴任。田中角栄内閣成立時には田中―大平(おおひら)連合の橋渡しの役割を果たした。鈴木は党内のとりまとめ役としての手腕にたけ、いわば「縁の下の力持ち」的存在であったが、大平正芳(おおひらまさよし)急死後、大平派を継承し、かつ大方の予想を裏切って1980年7月田中、福田両派の支持で首相に就任した。自民党の絶対多数を背景に、日米「同盟関係」の明言、防衛力増強、実質的な靖国(やすくに)神社公式参拝など右寄り路線を推進したが、公約とした「増税なき財政再建」の方針が破綻(はたん)し、また教科書問題などで内外の批判が高まるなか、1982年10月退陣を表明した。1990年(平成2)政界を引退。

伊藤 悟]

『読売新聞社政治部編『総理大臣鈴木善幸――政治家523人がつくりあげる80年代権力構造の全容』(1980・現代出版)』『岩手放送編・刊『元総理鈴木善幸激動の日本政治を語る』(1991)』

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百科事典マイペディア 「鈴木善幸」の意味・わかりやすい解説

鈴木善幸【すずきぜんこう】

政治家。岩手県出身。農林省水産講習所卒,1935年大日本水産会に入る。1947年日本社会党から衆議院議員に当選,1949年民主自由党に移る。1960年郵政相として入閣,以後厚相,農相等を歴任。また自由民主党総務会長を通算10期務めた。1980年6月の大平正芳首相の急死により,7月党総裁・内閣総理大臣に就任。1982年11月辞任。1990年政界引退。衆議院議員当選16回。→鈴木善幸内閣
→関連項目加藤寛シー・レーン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鈴木善幸」の意味・わかりやすい解説

鈴木善幸
すずきぜんこう

[生]1911.1.11. 岩手
[没]2004.7.19. 東京
政治家。 1935年水産講習所卒業,大日本水産会に入った。 1947年日本社会党から衆議院議員に初当選したが,1949年民主自由党に転じた。以後連続当選 14回 (1980) 。 1955年の自由民主党結成以来一貫して池田派,大平派に所属し,その幹部となった。 1960年池田内閣の郵政大臣,1964年官房長官。 1965年厚生大臣,1976年農林水産大臣を歴任。しばしば党総務会長となり,党内とりまとめの手腕には定評があった。 1980年6月大平正芳首相が急死したあと首相に就任。行政改革,財政改革に取り組み 1982年 10月辞任。 1990年引退。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鈴木善幸」の解説

鈴木善幸 すずき-ぜんこう

1911-2004 昭和後期-平成時代の政治家。
明治44年1月11日生まれ。生家は岩手県の網元。漁業団体勤務などをへて,昭和22年社会党から衆議院議員となる。翌年離党し民自党,自民党にうつる。当選16回。第1次池田内閣の郵政相をはじめ,官房長官,厚相,農相を歴任。調整能力にすぐれ,自民党総務会長として在任10期。55年首相となり「和の政治」につとめた。平成2年引退。平成16年7月19日死去。93歳。水産講習所(現東京水産大)卒。

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367日誕生日大事典 「鈴木善幸」の解説

鈴木 善幸 (すずき ぜんこう)

生年月日:1911年1月11日
昭和時代;平成時代の政治家;首相
2004年没

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