中国、寧夏(ねいか)回族自治区の地級市で、自治区首府。3市轄区、永寧(えいねい)、賀蘭(がらん)の2県を管轄し、霊武(れいぶ)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口196万(2014)。銀川平原の中心にあり、東は黄河(こうが)、西は賀蘭山脈で画される。市域を包蘭線(パオトウ―蘭州)が縦貫し、市街へは支線が引かれる。2011年開通の太中銀線(太原(たいげん)―中衛(ちゅうえい)―銀川)も通じる。自治区の政治、経済、文化の中心で、米、小麦、アサなど銀川平原の豊かな農産物の集散地であるほか、機械、電力、鉄鋼などの重工業や、畜産加工を主とする毛織、食品業なども発達する。賀蘭山脈には豊富な天然資源がある。特産の工芸品として、じゅうたん、ヒツジの腸詰め、枸杞(くこ)酒、賀蘭石彫などがある。
万里の長城が黄河を渡る地点にあたり、歴史的には漢民族と北方諸民族の接触地帯であった。南北朝時代に懐遠(かいえん)県が置かれ、隋(ずい)、唐まで続いたが、宋(そう)代に西夏(せいか)に領有され、国都興慶(こうけい)が置かれた。元以降、寧夏路、寧夏府が設けられ、その中心となり、1929年寧夏省が設けられその省都となった。1945年市となり、1958年自治区の設立とともにその中心となった。西部の山麓に西夏王陵があり、承天寺塔(西塔)、海宝塔(北塔)など、西夏にゆかりのある遺跡が多い。
[秋山元秀・編集部 2017年5月19日]
中国北部,寧夏回族自治区の主都。人口80万7000(2000)。黄河上流,銀川平原の中心で,一時期,西夏の都になったことがあるが,漢代以来,ほぼ中国王朝の支配地であった。元・明の時代は寧夏路治,寧夏府治であったので寧夏と呼ばれていた。1928年成立の寧夏省の省都になり,45年銀川と改称した。その後,54年甘粛省への寧夏省の合併を経て,58年自治区成立とともにその主都となった。銀川平原は古代から黄河の水による灌漑施設がみられ,コメの生産の盛んな穀倉地帯で,その中心の銀川は〈塞上名城〉と称せられた。解放後,農畜産物集散地としていっそう重要性を増すとともに,毛織物,機械,皮革など新興工業都市としても発展してきた。また,北の包頭(パオトー)や南の蘭州への鉄道や公路などの交通要地でもある。市域は東部の公路沿いの旧市街と西部の鉄道沿いの新市街とから成り,両者は鉄道支線で結ばれている。旧市街には900年前や1500年前に建立された西塔,北塔などの名勝,新市街には新しい工業地区がみられる。
執筆者:小野 菊雄
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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