鏡作部(読み)かがみつくりべ

  • 鏡作▽部

世界大百科事典 第2版の解説

日本古代の職業の一つ。鏡の製作に従事した。伴造(とものみやつこ)は683年(天武12)に連(むらじ)を与えられた鏡作造で,その本拠は《和名抄》にみえる大和国城下郡鏡作郷であろう。ここには《延喜式》神帳の〈鏡作坐天照御魂神社〉が鎮座し,鏡作氏の祖神石凝姥(いしこりどめ)命等が奉斎されている。石凝姥命記紀神話の中で天照大神が天の岩屋戸に隠れたとき,鏡を造ったとされ,天孫降臨神話では天孫に随従する〈五部神〉の一人とされている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古代において鏡の製作に従事した工人集団の称。彼らの統率者(伴造(とものみやつこ))を鏡作造(のち連(むらじ))といい、天抜戸命(あまのぬかとのみこと)の子石凝姥命(いしこりどめのみこと)の後裔(こうえい)と伝える。石凝姥は皇位の象徴である神鏡を製作し、また天孫降臨に随従した神といわれる。大和(やまと)国城下(しきのしも)郡(奈良県磯城(しき)郡田原本(たわらもと)町)の鏡作坐天照御魂(かがみつくりにいますあまてるみたま)神社は鏡作造の氏神を祭る。大化(たいか)(645~650)以後鏡作部の技術はしだいに一般化し、律令(りつりょう)制のもとではその仕事は雑工戸(ざっこうこ)が担当することとなった。

[黛 弘道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 古代の部民の名。鏡を作ることをつかさどった部。かがみつくり。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

実効再生産数

感染症が流行している集団において、ある時点で、一人の感染者から二次感染する人数の平均値。再生産数が1を上回ると、一人の感染者が複数の人に感染させるため、流行は拡大し、1を下回ると、感染者数が減少し、流...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android