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阿漕浦 あこぎうら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

阿漕浦
あこぎうら

「あこぎがうら」ともいう。三重県津市伊勢湾にのぞむ海岸。岩田川河口から相川河口までの単調な直線状の砂浜海岸で,春は潮干狩り,夏は海水浴に利用され,冬はノリ漁場となる。かつては伊勢神宮の供物の漁場で,殺生禁断の海であった。昔貧しい漁夫平治 (次) が病母のためこの海で魚をとったため罰せられ,簀巻きにされて海に沈められたという物語は,謡曲,浄瑠璃に歌われて有名。近くに平治 (次) の霊をまつる阿漕塚がある。観海流泳法の発祥地といわれる。南半分を御殿場浜とも呼ぶ。一帯は伊勢の海県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディアの解説

阿漕浦【あこぎうら】

〈あこぎがうら〉とも。三重県津市,岩田川河口以南の海岸。漁夫の阿漕平治が病母のため禁漁を犯し刑死したという伝説があり,平治をまつる阿漕塚がある。謡曲《阿漕》もこの伝説による。

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世界大百科事典 第2版の解説

あこぎうら【阿漕浦】

〈あこぎがうら〉ともいう。県立自然公園伊勢の海の中央部,三重県津市南部の岩田川河口から伊倉津にかけての遠浅の海岸で,潮干狩りや海水浴場として親しまれている。海岸砂丘は松林が美しく,後背湿地は水田などに利用されている。謡曲《阿漕》で名高い親孝行の漁師平治をまつった阿漕塚,芭蕉の句碑,観海流泳術の元祖の碑などがある。この浦の北部にヨットハーバー,南部に日本鋼管の造船所が立地する。【田中 欣治】

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日本の地名がわかる事典の解説

〔三重県〕阿漕浦(あこぎうら)


阿漕浦(あこぎがうら)

〔三重県〕阿漕浦(あこぎがうら)


三重県津()市南部、伊勢(いせ)湾に面する海岸。岩田(いわた)川河口から相(あい)川河口までの約3kmをいう。広く北は安濃(あのう)川河口まで、南は雲出古(くもずふる)川の河口までを含めることもある。謡曲『阿漕』で知られ、歌枕としても名高い。「あこぎうら」とも読む。遠浅の海で、夏は海水浴・潮干狩りの行楽客でにぎわう。ヨットハーバーや競艇場がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

阿漕浦
あこぎがうら

三重県中部、伊勢(いせ)湾岸の津海岸のうち、岩田川と相川との間の海浜。「あこぎうら」ともいう。南半分を御殿場浜ともいう。伊勢の海県立自然公園区域。長さ3キロメートルの遠浅の砂浜で、背後に松林が続き、潮干狩、海水浴、楯干(たてぼし)(網で囲んだ魚を手づかみにする津藩藤堂(とうどう)氏時代からの大名遊び)などで知られる海浜行楽地。冬はノリの好漁場となる。近くに阿漕平治(平次)(へいじ)の霊を祀(まつ)る阿漕塚がある。母孝行の貧しい漁夫平治が母の病を治すため、殺生禁断とされていた阿漕浦でヤガラという魚をとったため罰せられ、簀巻(すまき)にされて海に沈められたという物語は、謡曲、浄瑠璃(じょうるり)の題材となり、毎年8月15日に盛大な盆供養が営まれる。また観海(かんかい)流泳法の発祥の地といわれる。海岸の北端に津市営ヨットハーバーの伊勢湾海洋スポーツセンター、その近くに阿漕浦海浜公園がある。[伊藤達雄]

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世界大百科事典内の阿漕浦の言及

【殺生禁断】より

…そのほか神領の池や海が一般人に殺生禁断となったのは,神の贄(にえ)を取るためであった。たとえば伊勢の阿漕浦(あこぎうら)は伊勢神宮の供御を取るために禁断となり,これを犯すものは死をもって罰せられた。謡曲《阿漕(あこぎ)》はこれを物語っている。…

※「阿漕浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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