陥れる(読み)オトシイレル

デジタル大辞泉 「陥れる」の意味・読み・例文・類語

おとし‐い・れる【陥れる/落(と)し入れる】

[動ラ下一][文]おとしい・る[ラ下二]
だまして苦しい立場に追いやる。わなにかける。「罪に―・れる」
城などを攻めて取る。「とりでを―・れる」
(落とし入れる)落として、中へはいらせる。「公衆電話硬貨を―・れる」
[類語]欺く騙す騙し込む騙くらかすごまかす偽るたばかるかたたぶらかすはぐらかす化かす担ぐ引っ掛ける出し抜く欺瞞瞞着まんちゃく一杯食わす罠に掛けるぺてんに掛ける背負い投げを食う足をすくう鼻を明かす寝首を掻く裏をかく裏の裏を行く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「陥れる」の意味・読み・例文・類語

おとし‐い・れる【落入・陥】

  1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]おとしい・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 人や物を落として、ある物の中にはいらせる。おちいらせる。
    1. [初出の実例]「天の斑馬(ふちこま)を逆剥(さかは)ぎに剥ぎて堕入(おとしい)るる時に」(出典古事記(712)上)
  3. 他人をだまして罪におとす。わなにかける。
    1. [初出の実例]「若不諫打をけば、帰て君子不義にをとし入るる物也」(出典:応永本論語抄(1420)学而第一)
  4. 城や都市などを攻めて取る。占領する。
    1. [初出の実例]「僖宗の乱と云は、黄巣が長安を、をとしいれたるを云ぞ」(出典:三体詩素隠抄(1622)二)
  5. おとしこむ(落込)
    1. [初出の実例]「ストーリー・テラーであるという批評は、彼らのあるものを逆に劣弱意識にさえ陥れた」(出典:大ロマンの可能性(1958)〈十返肇〉五)

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