担ぐ(読み)カツグ

デジタル大辞泉 「担ぐ」の意味・読み・例文・類語

かつ・ぐ【担ぐ】

[動ガ五(四)]
物を持ち上げて肩にのせ支える。になう。「荷物を―・ぐ」「鉄砲を―・ぐ」
自分たち組織集団代表者地位に据えて押し立てる。祭り上げる。「最年長者を会長に―・ぐ」
からかって人をだます。一杯食わせる。「友人にうまく―・がれた」
縁起を気にする。迷信にとらわれる。「―・ぐ性分」「げんを―・ぐ」
[可能]かつげる
[下接句]後棒あとぼうを担ぐ縁起を担ぐお先棒を担ぐ片棒を担ぐ御幣を担ぐ半肩担ぐ御輿みこしを担ぐ
[類語](1担う負う負ぶう背負う背負しょ引っ担ぐ担ぎ上げる負んぶ肩車/(3欺く騙す騙し込む騙くらかすごまかす偽るたばかるかたたぶらかすはぐらかす化かす陥れる引っ掛ける出し抜く欺瞞瞞着まんちゃく一杯食わす罠に掛けるぺてんに掛ける背負い投げを食う足をすくう鼻を明かす寝首を掻く裏をかく裏の裏を行く

かた・ぐ【担ぐ】

[動ガ下二]かた(担)げる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「担ぐ」の意味・読み・例文・類語

かつ・ぐ【担】

  1. ( 「かつぐ(被)」と同語源 )
  2. [ 1 ] 〘 他動詞 ガ五(四) 〙
    1. 肩にかけてになう。かたげる。
      1. [初出の実例]「小節巻の弓の拳太なるを肩にかつき」(出典:三国伝記(1407‐46頃か)四)
    2. 自分たちの上に立つ人として推し立てる。まつり上げる。また、おだてて、上の地位におく。
      1. [初出の実例]「代助は英雄なぞに担(カツ)がれたい了見は更にない」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉一三)
    3. あざむく。だます。からかって、いっぱいくわせる。
      1. [初出の実例]「こんな好(いい)加減な事を吹き散らして人を担(かつ)ぐのを唯一の楽(たのしみ)にして居る男である」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一)
      1. (イ) ( 受身の形で用いられることが多い ) 女性を誘拐する。相手の女も合意の上で親元を逃げ去る場合もいう。
        1. [初出の実例]「かついだといふはうそ成り手を引て」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦九(1759)智二)
      2. (ロ) 女性に暴行することをいう。〔特殊語百科辞典(1931)〕
    4. ( 「御幣(ごへい)をかつぐ」の略 ) 迷信や慣習にとらわれる。縁起などを気にする。
      1. [初出の実例]「御幣かつぎは言語の上にもかつぐ様になって、正月にごまめや煮豆をたべるのはまめといふ事であり」(出典:国民性十論(1907)〈芳賀矢一〉三)
    5. 相場高値につける。
  3. [ 2 ] 〘 自動詞 ガ五(四) 〙 相場が上がる。〔取引所用語字彙(1917)〕

かた・ぐ【担】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ガ四段活用 〙かたげる(担)
    1. [初出の実例]「大さき玄蕃どのは、十七たちをかたいだ。弓をこそかたげ。たちをこそかたげ」(出典:歌謡・巷謡篇(1835)下・高岡郡左川郷玄蕃踊歌)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙かたげる(担)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android