偽る(読み)イツワル

デジタル大辞泉 「偽る」の意味・読み・例文・類語

いつわ・る〔いつはる〕【偽る/詐る】

[動ラ五(四)]
事実自分本心を隠し、真実を曲げて言ったり、したりする。「身分を―・る」「病気と―・る」
だます。あざむく。「人を―・る」「己を―・る」
だま[用法]
[可能]いつわれる
[類語](1称する法螺ほらを吹く与太を飛ばす二枚舌/(2騙す欺くごまかすたばかる騙る誑かすはぐらかす化かす一杯食わす騙し込む騙くらかす担ぐ陥れる引っ掛ける出し抜く欺瞞瞞着まんちゃく罠に掛けるぺてんに掛ける背負い投げを食う足をすくう鼻を明かす寝首を掻く裏をかく裏の裏を行く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「偽る」の意味・読み・例文・類語

いつわ・るいつはる【偽・詐】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 事実や自分の本心を隠して、それと違うことを言ったりしたりする。本当らしく思わせるようにふるまう。うそを言う。
    1. [初出の実例]「此の世界は人の情了に戻り曲り謟(へつら)ひ妄(イツは)り欺く」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
    2. 「ことをいつはりて、物を盗めるなり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)

偽るの語誌

平安初期には「うつはる」の形もあったが、中期以降、専ら「いつはる」だけが用いられるようになった。類義語「あざむく」が、人を意のままにあやつる、だましそそのかす意が中心であるのに対し、「いつはる」は、自らの本心や真実を隠すために、虚偽を主張する意を本義とする。→うつわるあざむく


うつわ・るうつはる【偽】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 事実や自分の本心を隠して、それと違うことを言ったりしたりする。うそをいう。いつわる。
    1. [初出の実例]「是自り後、百(氏)姓(かばね)自ら定りて更に詐(ウツハル)人无し」(出典:日本書紀(720)允恭四年九月(図書寮本訓))

偽るの語誌

→「いつわる(偽)」の語誌

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