騙す(読み)ダマス

デジタル大辞泉 「騙す」の意味・読み・例文・類語

だま・す【×騙す】

[動サ五(四)]
うそを言って、本当でないことを本当であると思い込ませる。あざむく。たぶらかす。「人を―・して金を取る」「まんまと―・される」
他のことに気をまぎれさせて落ち着かせる。機嫌をとってなだめる。「子供を―・して寝かせる」
機械などの調子をみて手加減しながらなんとか作動させる。「旧式の機械を―・し―・し使う」
[可能]だませる
[用法]だます・あざむく――「友人をだます(欺く)」「銀行員をだまして(欺いて)大金を引き出す」など、うそを信じさせる意では、相通じて用いられる。◇「だます」は「うまいことを言ってだます」のように、うそを本当と思い込ませる行為重点があるが、「欺く」は「誓い合った恋人を欺く結果になった」のように、信頼に反する行動に対して用いられる傾向がある。また、「だます」は口頭語、「あざむく」は文章語といえる。◇「だます」には、すかしたりなだめたりする意もある。「だだをこねる子供をだましながら連れ帰る」「おんぼろ自動車をだましだまし走らせる」◇「欺く」には「昼を(も)欺く明るさ」のような用法がある。◇類似の語「偽る」は、事実と異なることを故意に言う意が強い。「年齢を偽る」「警察官と偽って取り調べるふうをする」
[類語]欺くごまかす偽るたばかる騙る誑かすはぐらかす化かす一杯食わす騙し込む騙くらかす担ぐ陥れる引っ掛ける出し抜く欺瞞瞞着まんちゃく罠に掛けるぺてんに掛ける背負い投げを食う足をすくう鼻を明かす寝首を掻く裏をかく裏の裏を行く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「騙す」の意味・読み・例文・類語

だま・す【騙】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「だまる(騙)」の他動詞化か )
  2. 悪意にもとづいてうそをいったり、にせ物を使ったりして、本当でないことを本当だと思わせる。あざむく。
    1. [初出の実例]「令寄紿一レ祿とは、だまさせたことぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)八)
    2. 「人をただだます心やまめ男 ねやすく馬をかふて飼けり〈秀海〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)四)
  3. すかしなぐさめる。なだめる。きげんをとる。
    1. [初出の実例]「らんすいしての、らうぜきゆへ、〈略〉やうやうだましてつれかへりける」(出典:洒落本・通気粋語伝(1789)五)
  4. ( 「だましだまし」の形で ) 手加減しながら少しずつ事をする。
    1. [初出の実例]「わるひ道車をだましだまし引き」(出典:雑俳・柳多留‐一四五(1837))

騙すの補助注記

室町時代に「だます」が現われる前は「いつはる」「あざむく」が用いられていた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android