誑かす(読み)タブラカス

デジタル大辞泉 「誑かす」の意味・読み・例文・類語

たぶら‐か・す【×誑かす】

[動サ五(四)]だまして惑わす。人をあざむく。「言葉たくみに―・される」
[類語]騙すごまかす偽るたばかる騙る欺くはぐらかす化かす一杯食わす騙し込む騙くらかす担ぐ陥れる引っ掛ける出し抜く欺瞞瞞着まんちゃく罠に掛けるぺてんに掛ける背負い投げを食う足をすくう鼻を明かす寝首を掻く裏をかく裏の裏を行く

たぶろ‐か・す【×誑かす】

[動サ四]たぶらかす」に同じ。
「人の心―・して」〈柏木

たらか・す【×誑かす】

[動サ五(四)]だます。たぶらかす。
鼻毛をよまれ魂魄を―・されて」〈露伴・いさなとり〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誑かす」の意味・読み・例文・類語

たぶらか・す【誑】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「たぶろかす」の変化した語 ) うまいことを言ったり、ごまかしたり、あやしい手段を用いたりして人をだます。あざむく。たむらかす。たぼろかす。たぼらかす。たぶらす。
    1. [初出の実例]「公家に讒して、是は世を狂(タフラ)かすあしき物なり。国のためにあしかるべしと申」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
    2. 「此人はかく行徳あるやうなれども、無智の間終には魔界のためにたぶらかさるべし」(出典:十訓抄(1252)七)

たぶろか・す【誑】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 「たぶる(狂)」に対する他動詞 ) =たぶらかす(誑)
    1. [初出の実例]「但に凡庸を誑(タフロカシ)(おふな)かすのみに非ず」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
    2. 「人の心たふろかして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)

たら‐か・す【誑かす】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「かす」は接尾語 ) 誘惑して本心を失わせる。甘言でだます。また、色じかけでだます。たぶらかす。だます。すかす。たらす。
    1. [初出の実例]「涼しやと莚もてくる川の端〈野水〉 たらかされしや彳る月〈荷兮〉」(出典:俳諧・曠野(1689)員外)

たぼろか・す【誑】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙たぶらかす(誑)
    1. [初出の実例]「斗称をもちて、欺き誑(タボろカシ)、偽りを以て真と為し」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)三)

たむらか・す【誑】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙たぶらかす(誑)
    1. [初出の実例]「春駒の身をそこなひ、秋之鹿之命を失ふ、婬欲にたむらかさるるがゆへなり」(出典:宝物集(1179頃))

たぼらか・す【誑】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 「たぶらかす(誑)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「無明の酒にたぼらかされて」(出典:日蓮遺文‐主師親御書(1255))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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