騙る(読み)カタル

デジタル大辞泉 「騙る」の意味・読み・例文・類語

かた・る【×騙る】

[動ラ五(四)]《「語る」と同語源。もっともらしく、巧みに話しかけるところから》
金品をだましとる。「大金を―・られる」
地位名前などを偽る。詐称する。「有名人の名を―・る」
[可能]かたれる
[類語]騙すごまかす偽るたばかる欺く誑かすはぐらかす化かす一杯食わす騙し込む騙くらかす担ぐ陥れる引っ掛ける出し抜く欺瞞瞞着まんちゃく一杯食わす罠に掛けるぺてんに掛ける背負い投げを食う足をすくう鼻を明かす寝首を掻く裏をかく裏の裏を行く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「騙る」の意味・読み・例文・類語

かた・る【騙・衒】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. うそをまことらしく言って、人をあざむく。いつわる。
    1. [初出の実例]「ヒトノ ナマエヲ kataru(カタル)」(出典和英語林集成初版)(1867))
  3. 人をだまして、金品などをとる。詐欺にかける。
    1. [初出の実例]「随分道中の人になれたる心の、針屋筆やかたられて追分より八丁までに五百八十が物代なして」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)二)

だま・る【騙】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 人をあざむこうとする気持をもつ。悪心をいだく。〔羅葡日辞書(1595)〕
    1. [初出の実例]「わざをする物はだますと云程に、だまってゐるかと云」(出典:虎明本狂言・附子(室町末‐近世初))

騙るの補助注記

無言の状態になる意の「だまる(黙)」と直接関係があると考えられる。弁舌をふるうなど積極的に働きかけて欺く「だます」に対して、「だまる」は「真実や真意を隠して表に出さないでいる」という意味合いであり、積極的な発言をしないところから沈黙の意と結びつく。

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