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幕末の江戸幕府陸軍の総轄者。幕府は軍制改革の過程で1862年(文久2)西洋式の陸軍三兵を組織し,元帥に相当する陸軍総裁職を設け,12月8日徳島藩主蜂須賀斉裕(なりひろ)を任じた。翌年1月斉裕が辞任の後,陸海軍の総括は老中の任務となり,64年(元治1)から65年(慶応1)にかけては海陸軍総奉行兼帯の老中格松前崇広(たかひろ)が陸海軍行政の専任を務めた。66年(慶応2)老中格松平乗謨(のりあきら)が陸軍総裁となり,海軍,国内事務,外国事務,会計の各総裁にもそれぞれ老中が任じられ,67年6月幕閣の五局専任制が発足した。68年正月23日松平乗謨辞任後は,若年寄次席勝海舟が補任され,最後の陸軍総裁となった。
執筆者:梅沢 ふみ子
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幕末期、陸軍の事務を総轄した江戸幕府の職名。1862年(文久2)の幕府の軍制改革案では、海軍総裁に次ぐ第二位に置かれていたが、海軍改革案は実現せず、陸軍総裁が同年12月18日設置された。これは三兵(歩・騎・砲)を統轄した陸軍奉行(ぶぎょう)の上位にあり、蜂須賀斉裕(はちすかなりひろ)(阿波(あわ)藩主)が任じられた。66年(慶応2)12月からは老中格松平(大給(おぎゅう))乗謨(のりたか)(信濃(しなの)田野口(たのくち)藩主)が兼任し、68年一月より勝義邦(かつよしくに)(海舟(かいしゅう))が軍艦奉行から就任、同年4月に辞任、廃止された。
[田中 彰]
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