物質を形づくる基本粒子である陽子が、電子や中間子に変わる過程。標準理論では、陽子は安定に存在し、寿命は無限大であると考えられている。しかし、強い相互作用と電磁相互作用を統合しようとする大統一理論では、陽子も崩壊することが予言される。ニュートリノ天文学の誕生のきっかけになったカミオカンデの当初の目的は、この陽子崩壊の検出であった。陽子崩壊に至る期間は、大統一理論により異なるが、当初は10の31乗年程度と考えられていたものの、これまでの観測の結果、10の34乗年以上と見積もられている。想定する大統一理論により、陽子は陽電子と中性パイ中間子、またはK中間子とニュートリノに崩壊すると考えられている。
[編集部 2023年12月14日]
原子核が陽子を放射して崩壊する現象.重い自然放射性核がクーロン斥力障壁の大きな抑制のもとにα崩壊をしている事情は,それよりはるかにクーロン斥力の低い陽子崩壊がなぜ起こらないかと思わせる.これは核子崩壊において,よりいっそう本質的なことはエネルギー関係であることを示している.つまり,
X→Y +
陽子の分解は,通常の条件ではX,Yの安定性からエネルギー的に不可能な方向にある.この本質的要因は中性子数と陽子数の比N/Zにある.たとえば, 92238U146 は
N/Z = 146/92 = 1.59
でまったく陽子を放出しえないが,
N/Z = 134/104 = 1.29
にまで陽子が増えれば陽子崩壊が起こりうる.核反応でつくられた軽い核の場合はN/Z < 1の場合もあり,当然,陽子崩壊が起こっている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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