デジタル大辞泉
「隠忍自重」の意味・読み・例文・類語
いんにん‐じちょう【隠忍自重】
[名](スル)怒りや苦しみをじっと抑えて外に表さず、軽はずみな行動をしないこと。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いんにん‐じちょう【隠忍自重】
- 〘 名詞 〙 苦しみをじっとこらえて、軽々しい行動をしないこと。
- [初出の実例]「腹の立つところを隠忍自重(インニンジチョウ)したのは、強ち自分の栄達や富貴の為では無く」(出典:江戸から東京へ(1923)〈矢田挿雲〉八)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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隠忍自重
はやる心を抑え、苦しみをじっとこらえて、軽々しい行動をしないこと。
[活用] ―する。
[使用例] 広田も、さすがに憤然とした。「組閣を全うするように」との要請もわかるが、もはや隠忍自重も限度だと思った。これ以上、折れ合う余地はない[城山三郎*落日燃ゆ|1974]
[使用例] 悲しみは悲しみとして、しばらく隠忍自重なさいませ。まして復讐を誓った以上、おからだを大事にしなければなりません[陳舜臣*小説十八史略|1977~83]
[使用例] いわば敵国に対する隠忍自重を強いられた各国元首たちの不安定な精神状態を示す歴史的事実は多数にわたっている[筒井康隆*虚航船団|1984]
[解説] 戦前に総理大臣になった広田弘毅は、内閣を作るに当たって、軍部から強烈な横やりを入れられました。ずうずうしい条件をつけてくる軍部。広田はついに「隠忍自重も限度」となったと、例文の[落日燃ゆ]に記されています。
ここで言う「隠忍自重」とは、わかりやすく言えば「我慢」。広田は、軍部と対立して新内閣が作れなくなることを避け、おとなしくしていました。でも、ついに我慢できなくなったようです。
「隠忍」の「隠」は気持ちを押し隠すこと。「忍」はしのぶことです。世間の目や、敵対する勢力の動向を考えて、したいことをせずに堪え忍ぶのです。
「自重」は、自分自身の行動を慎んで、軽々しく動き回らないことです。「重」は「慎重」の「重」でもあります。
戦いや争いの中では、「隠忍自重」の態度が大切です。[小説十八史略]では、憎い王に復讐しようとする相手に、急いではいけない、と警告しています。また、[虚航船団]では、国際紛争を回避しようとするイタチ族の元首たちが、行動を慎むのに苦労したと記されています。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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