雨降って地固まる(読み)あめふってじかたまる

ことわざを知る辞典「雨降って地固まる」の解説

雨降って地固まる

もめごとや苦難の後は、以前よりも結束が強まることのたとえ。

[使用例] かように清算したことによって気持も晴れ、多くの教訓を得て、もはや数千円の損失などは問題ではなく、これで我が中村屋も雨降って固まる、いよいよここに基礎が定まりました[相馬愛蔵・相馬黒光*一商人として|1938]

[使用例] 「菊子は笑顔のいい子ですが、今のようにうれしそうな目をして笑うのは、久しぶりじゃありませんか。〈略〉少しうれしそうな笑顔をみると、私も……。」「ふむ。」「このところ、修一も会社からは早く帰るし、日曜日にはうちにいますし、降って地かたまるというんですかね。」[川端康成*山の音|1949~54]

[解説] 雨が降ると、屋外の仕事はできず、気分も沈みがちです。楽しみにしていた行事も、雨になると盛り上がりません。しかし、逆に日照りばかり続くのも困りものです。雨には雨の効用があり、飲用水だけでなく、作物の生育にも欠かせません。物事には悪い面もあればよい面もあり、一面だけみて落ち込んだり、逆にはしゃいだりするのは考えものです。
 このことわざは、雨にもプラスの面があることをたとえに、人間同士の対立抗争を単純に否定的にとらえず、わだかまりが陰にこもらず表面化することをむしろ評価しています。長年の経験から人間関係の心理を深く洞察したことわざで、同時に一種げん直しの役割もはたすものといえるでしょう。

〔英語〕After a storm comes a calm.(嵐の後にはなぎが来る)

〔中国〕不打不成交(けんかをしてこそ友人になれる)

朝鮮비 온 뒤에 땅이 굳어진다(雨の後に地が固まる)

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精選版 日本国語大辞典「雨降って地固まる」の解説

あめ【雨】 降(ふ)って地(じ)(かた)まる

雨の降ったあとはかえって地面が堅固になるところから、変事の後は、かえって事態が落ち着いて、基礎がかたまることをいう。〔月菴酔醒記(1573‐92頃)〕
※評判記・吉原すずめ(1667)上「おもふ中の小いさかひ、雨ふりてぢかたまるなどと、おさだまりのあいさつにて」

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デジタル大辞泉「雨降って地固まる」の解説

雨(あめ)降(ふ)って地(じ)固(かた)まる

もめごとなど悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりしてよい状態になることのたとえ。

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