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青少年問題 せいしょうねんもんだい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

青少年問題
せいしょうねんもんだい

児童期から成人期への過渡的年齢にある青少年層の固有の社会的な問題を一般にいう。もともとこうした過渡的年齢期にある青少年は人格形成においても児童期と成人期の過渡的な段階にあり,社会的適応に対して十分な自己訓練が行われず,精神的にまた行動的にも不安定である。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

青少年問題
せいしょうねんもんだい

青少年および青少年問題ということばは、まず行政用語として普及し、ついで一般にも使われるようになった。直接のきっかけは、1949年(昭和24)に中央青少年問題協議会が設置され、翌年に地方青少年問題協議会が発足したことにある。前者は1966年に廃止されたのち、総理府(現内閣府)所管の青少年問題審議会となった。国の行政の指針となる青少年対策推進要綱は、情勢の変化に応じて適宜改正されており、1999年(平成11)に大幅な改正とともに名称が青少年育成推進要綱とかえられた。また所轄官庁としては、2001年(平成13)の省庁再編以降は、内閣府が青少年対策を所管している。
 2003年には内閣総理大臣を本部長とする「青少年育成推進本部」が設置され、同年「青少年育成施策大綱」が策定された。2008年に見直しが行われ、新たな大綱が策定されたが、自由民主党から民主党への政権交代が機となり、2009年に「子ども・若者育成支援推進法」(平成21年法律第71号)が制定され、内閣府に「子ども・若者育成支援推進本部」が設置された。2010年には「子ども・若者ビジョン」が策定されている。
 それによれば、青少年とは「乳幼児期から青年期までの者」(おおむね30歳未満まで)とされるが、行政的にはポスト青年期(青年期を過ぎ40歳未満の者)までを広く支援対象とすることを明確にするため、「青少年」にかえて「子ども・若者」の言葉が採用されることとなった。
 「子ども・若者ビジョン」をもとにその問題となる事項を確認すると、(1)自己形成に関する問題(日常生活能力、多様な活動機会、学力、教育、経済)、(2)社会形成、社会参加、(3)健康と安心、(4)職業的自立、(5)困難な状況に関する問題(ニート、ひきこもり、不登校、障害、非行・犯罪、貧困など)、(6)被害防止・保護(児童虐待、犯罪、いじめなど)、(7)環境整備(家庭、学校、地域の相互関係、有害環境への対応など)、(8)大人社会のあり方、などであるとされている。[副田義也・株本千鶴]

青少年の範囲

行政の全領域を見渡してみると、青少年ということばは、そのきわめて限られた領域でしか使用されていないのも事実である。そのことばがさす年齢の範域の一部あるいは全部をさして、さまざまなことばが使われている。主要な法規範のそれぞれでそのことばを拾っておくと、学校教育法では学齢児童(小学校1年生から6年生まで)、学齢生徒(中学校1年生から3年生まで)がある。民法では未成年者(満20歳未満の者)という。刑法では刑事責任年齢を区分年齢(満14歳)の呼称としている。少年法では少年(20歳未満の者)、審判に付すべき少年(14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年)などといっている。労働基準法では児童(15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者)、年少者(満18歳未満の者)と区分規定をしている。「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(平成20年法律第79号)では青少年(18歳未満の者)が用いられている。
 行政において、青少年ということばは、年齢でみたその各部分をこれらの諸概念と互換的に使われる。総じていえば、青少年とは、若い人々をもっとも幅広い年齢層でとらえることばであり、それだけに抽象度が高く、またあいまいに使われやすい。[副田義也・株本千鶴]

青少年問題のとらえ方

青少年問題は、先に述べたように青少年にかかわる諸事象をさすのであるが、それらを問題としてとらえるところには、それらの諸事象に接近する際の一つの発想が示されている。一般に社会事象を問題としてとらえるということは、それを、なんらかの程度と意味で望ましくないもの、解消されるべきものとみている価値意識を示している。これと青少年問題が論じられてきた歴史的経過を突き合わせてみれば、青少年問題という考え方には、若い人々にかかわる諸事象を、その望ましくない、解消されるべき側面からみてゆこうとする基本的姿勢があることが知られる。それはかつての青少年対策本部という組織名にも端的に示されている。そこでは、青少年は対策の対象である。もちろん、実際に青少年問題とされているものは、青少年の生活と意識の全般にわたっており、そこには望ましい側面とされるものも、望ましくない側面とされるものも含まれている。しかし、後者の側面を警戒し、ときに取り締まる必要があるとする発想が先行する傾向がある。
 公平さを欠かないためにいえば、青少年問題という考え方でも、青少年の生活と意識の望ましい側面を重視する傾向はしだいに一般化してきた。その側面を意図的に伸ばしてゆく社会的努力は健全育成と称されている。学校教育あるいは地域社会において、青少年の個性や社会性をはぐくむ取組みとしてボランティア活動が推進されてきたのもその一つである。しかし、これについても、放置しておけば青少年は不健全な方向に進んでしまうので、健全な方向に水路づけをしなければならないという発想が根強く存在するのである。つまり、健全育成事業などによって望ましい行為を提示することの目的とは、望ましくない行為が起きるのを予防することであって、そこには対策的発想、警戒心が先行しているのである。2009年の「子ども・若者育成支援推進法」の制定は、このような青少年問題のとらえ方に変容をもたらす意図をもっているものと考えられる。子ども・若者は対策の対象ではなく、支援の対象とされ、その権利が尊重され、大人とともに生きるパートナーとして一人一人の状況に応じた自己形成をサポートされる存在とみなされているからである。発想の変容が現実にどのように反映、浸透していくか、その動向に注目すべきである。[副田義也・株本千鶴]
『日本家族学会編『思春期・青年期問題と家族』(1989・金子書房) ▽日外アソシエーツ編『青少年問題の本全情報 1945-97』『同 1997-2002』『同 2002-2007』(1998、2002、2007・日外アソシエーツ) ▽日本青少年研究所編『現代・日本青少年問題調査資料集成』全14巻(2011・日本図書センター) ▽総務庁青少年対策本部編『青少年白書』各年版(大蔵省印刷局、平成13年版より内閣府編、財務省印刷局発行となる) ▽総務庁青少年対策本部編『青少年問題に関する文献集』(大蔵省印刷局、平成13年3月発行のものより文部科学省スポーツ・青少年局編、財務省印刷局発行となる)』

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