音感(読み)オンカン

デジタル大辞泉 「音感」の意味・読み・例文・類語

おん‐かん【音感】

音に対する感覚。音の高低音色ねいろなどを聴き分ける能力。「音感が鋭い」

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精選版 日本国語大辞典 「音感」の意味・読み・例文・類語

おん‐かん【音感】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 能楽用語。音や音楽の感じ。音や音楽の生む感動
    1. [初出の実例]「声をたすけ、曲を色どる音感あるべし」(出典:風曲集(1423頃))
  3. 音の高低、長短強弱などを感受識別できる能力。高低については補助手段なしに絶対的な音の高さを聞き分ける絶対音感と、他の音との比較において音の性質を判断する相対音感とがある。
    1. [初出の実例]「音感に並みはずれた才能を持つ父と子が」(出典:地唄(1956)〈有吉佐和子〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「音感」の意味・わかりやすい解説

音感 (おんかん)

音あるいは楽音の性質(音高,音価,音色,強弱など)を聞き分ける能力。この能力をたかめて音楽の学習に役立てることを音感教育という。音楽以外の分野に応用されることもある。音感教育は単音の性質を識別するだけでなく,さらに音の相互関係に対する鋭敏な感覚(フレーズ感,和声感,調性感,リズム感,楽器法など)を養うまでに発展するが,現在の音感教育はほとんど音高の識別能力の開発のみに集中している。音高に関する音感には,絶対音感と相対音感とがある。絶対音感とは,音高を楽器などの助けを借りずに識別する能力で,先天的な素質の差はあるが幼児期に訓練しないとつきにくい。相対音感は,与えられた音からの距離音程)によって音高を識別する。絶対音感は音高の物理的な識別のみが目的となり,便利な能力だが音楽的な発展性に乏しい。相対音感は音楽の諸要素の学習の基礎となり,発展性を持つ。音感教育は両者が総合されることが望まれる。
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百科事典マイペディア 「音感」の意味・わかりやすい解説

音感【おんかん】

広義には,音と音楽の諸性質の把握(はあく)能力をさすが,狭義には,音高の弁別能力をさす。音高については,音の絶対的音高がわかる場合に〈絶対音感〉があるといい,音と音との相対的関係(音程)がわかる場合に〈相対音感〉があるとしている。しかし最近ではこのような部分的能力よりも,パターンの認知力や様式感などを,音感の中に含めようとする傾向が強い。

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