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文耕堂 ぶんこうどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

文耕堂
ぶんこうどう

江戸時代中期の浄瑠璃作者。本名松田和吉。処女作は『河内国姥火 (うばがひ) 』 (本名単独で署名。 1713?) といわれる。『仏御前扇軍 (ほとけごぜんおうぎいくさ) 』 (15) や『大塔宮曦鎧 (おおとうのみやあさひのよろい) 』 (23,竹田出雲と合作) では近松門左衛門の添削を受けていることから,竹本座で近松に師事したと考えられる。以後享保 15 (30) 年まで作品がなく,それ以後は寛保1 (41) 年までほぼ毎年発表し,紀海音,竹田出雲,並木宗輔とともに作者四天王と称せられた。二十数編のうちのほとんどが合作によるもので,時代物が多い。代表作『鬼一法眼三略巻 (きいちほうげんさんりゃくのまき) 』 (31) ,『壇浦兜軍記』 (32) ,『御所桜堀川夜討』 (37) ,『ひらかな盛衰記』 (39) ,『新うすゆき物語』 (41) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

文耕堂 ぶんこうどう

?-? 江戸時代中期の浄瑠璃(じょうるり)作者,歌舞伎作者。
大坂竹本座の作者で,近松門左衛門に師事したといわれる。一時期京都で歌舞伎作品に手をそめたが,享保(きょうほう)15年(1730)竹本座にもどり,軍記物を中心に二十四,五本の作品をかいた。本名は松田和吉。作品に「応神天皇八白旗(やつのしらはた)」「壇浦兜軍記」など。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんこうどう【文耕堂】

浄瑠璃・歌舞伎作者。生没年不詳。本名松田和吉。享保(1716‐36)ごろの大坂竹本座の作者で,初めは本名の松田和吉で書いたが,1730年2月の《三浦大助紅梅靮(みうらのおおすけこうばいたづな)》(竹本座)からは文耕堂の署名となる。作品は1722年9月の《仏御前扇車(ほとけごぜんおうぎぐるま)》が古く,これは翌年の《大塔宮曦鎧(おおとうのみやあさひのよろい)》とともに,添削者に近松門左衛門の名前があることから,近松に師事していたといわれている。

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大辞林 第三版の解説

ぶんこうどう【文耕堂】

江戸中期の浄瑠璃作者。大坂の人。近松門左衛門に師事。竹本座に属す。「御所桜堀川夜討」「ひらかな盛衰記」など合作が多い。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文耕堂
ぶんこうどう

生没年未詳。江戸中期の浄瑠璃(じょうるり)作者。大坂・竹本座の作者で、初期は松田和吉(わきち)の名で、1730年(享保15)以後は文耕堂を用いた。近松門左衛門の弟子といわれる。浄瑠璃の作品は25編あり、単独作が6編、合作に『鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)』『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』『敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)』『御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)』『ひらかな盛衰記』などがある。作風は堅実で内面的で上品な作が多い。当時世間では紀海音(きのかいおん)、竹田出雲(いずも)、並木千柳(せんりゅう)とともに浄瑠璃作者の四天王と称した。[山本二郎]

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世界大百科事典内の文耕堂の言及

【人形浄瑠璃】より

…若太夫はこの暗い戯曲に派手な東風の節付けを巧みに施し,興行的にも成功を収めた。一方,竹本座では近松門下の文耕堂,初世竹田出雲(竹本座経営者兼作者)らが,2世義太夫の質実剛健な語り口にふさわしい,英雄的な男性主人公の活躍を力強く描いた(《ひらかな盛衰記》など)。45年(延享2)両座の太夫の世代交替を機に,並木宗輔は竹本座に移り,2世竹田出雲,三好松洛らと合作《菅原伝授手習鑑》《義経千本桜》《仮名手本忠臣蔵》など,時代物の最高傑作を次々に著し,文三郎の人気と相まって人形浄瑠璃は隆盛の極に達し,〈歌舞伎はなきが如し〉とまでいわれた。…

【猫騒動物】より

…お家騒動にからめて怪猫のたたりを描くものが多い。古くは1740年(元文5)4月大坂竹本座初演,文耕堂,千前軒,三好松洛ら合作の人形浄瑠璃《今川本領猫魔館(いまがわほんりようねこまたやかた)》があり,今川家のお家騒動に怪猫を配している。歌舞伎では1827年(文政10)6月江戸河原崎座,4世鶴屋南北作《独道中五十三駅(ひとりたびごじゆうさんつぎ)》が有名。…

※「文耕堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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