題簽(読み)ダイセン(その他表記)tí qiān

デジタル大辞泉 「題簽」の意味・読み・例文・類語

だい‐せん【題×簽】

和漢書籍表紙題名などを記してはる細長い紙片または布片外題紙げだいがみり外題。

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精選版 日本国語大辞典 「題簽」の意味・読み・例文・類語

だい‐せん【題簽】

  1. 〘 名詞 〙 和漢の書籍の表紙の左側又は中央に題名を書いて貼りつける短冊型の紙片あるいは布片。また、その題字。貼題簽(はりだいせん)
    1. [初出の実例]「一書の題簽に『ヂヰナ、コメヂア、ヂ、ダンテ』(ダンテが神曲)と云へるあるを見出しつ」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉学校、えせ詩人、露肆)

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改訂新版 世界大百科事典 「題簽」の意味・わかりやすい解説

題簽 (だいせん)
tí qiān

文書の題名を記した縦長の紙や布の札をいう。中国では古くは象牙,木,竹などが用いられた。巻物の形をとった巻子本(かんすぼん)では表紙の左につけられ,古いものでは4世紀ころのものと推定される象牙の題簽が現存する。唐まではもっぱら巻子本であったが,唐代末になるとようやく紙を折りたたんで本の形にする折本(おりほん)になり,折本では中央に,次に出た冊子本では左端に貼るのが普通である。江戸時代の和本では冊子本でも中央に貼ることがある。また,文書の題は普通は墨書であるが,中には金書したものもある。文字が肉筆で書かれたものもあり,それはとくに書題簽という。しかし,必ずしも題簽を用いるとは限らず,今日の書物のように表紙に直接書き記したものもあり,これを外題(げだい)と呼んでいる。ともあれ題簽は文書を保存しようとするところに生まれ,それを整理するのに便利なようにくふうしたものである。
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図書館情報学用語辞典 第5版 「題簽」の解説

題簽

「だいせん」と読む.和漢書の表紙に貼られる小紙片で,書名巻数などが示される.日本刊本の題簽には短冊型と方型のものがあり,前者は一般に表紙左側上方に貼ることが多いが,方型の題簽は表紙中央上部に貼る.両者を同時に表紙に貼ることもある.題簽の文字が手書きの場合は書き題簽というのに対して,文字が印刷されている場合は印刷題簽である.印刷題簽の場合,文字だけを印刷するものと,文字の外周に枠を持つもの,さらに,江戸時代後期の読本や草双紙などでは,題簽に絵を加えることもある.これを絵題簽という.

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百科事典マイペディア 「題簽」の意味・わかりやすい解説

題簽【だいせん】

日本や中国の書物で表紙に書名を記す場合,直接表紙に書かないで,短ざく形の小紙片,布などをはってそれに書名を記すことがある。この時の小紙片を題簽という。

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普及版 字通 「題簽」の読み・字形・画数・意味

【題簽】だいせん

表題。

字通「題」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の題簽の言及

【製本】より

…つぎに表紙の裏側中央部に少量の糊をつけ,その上に中身をのせ,竹べらを用いて背,天地,前小口の順で表紙を中身との間に折り込む。表裏とも表紙をかけ終わったら,表紙と中身の間の前小口に幅6mmほど糊入れし,背にそって4ヵ所を絹糸でとじ,標題紙(題簽(だいせん)または外題(げだい)ともいう)をはる。標題紙の幅は,本の大きさによって一定しない。…

【表紙】より

…仮製本や雑誌では,厚手の1枚の紙だけを用いて前後の表紙とする〈くるみ表紙〉が多い。またほとんどの場合表紙にはその本の題名が示されるが,これを表題,または外題(げだい)といい,これを小紙片に印刷・手書きして表紙にはりつけることもあるが,この小紙片を題簽(だいせん)という。製本【上田 弘】。…

※「題簽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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