(読み)ダイ

デジタル大辞泉 「題」の意味・読み・例文・類語

だい【題】[漢字項目]

[音]ダイ(呉)
学習漢字]3年
書物や作品の内容を表す名。巻頭につけた見出しタイトル。「題字題名改題外題げだい内題表題副題傍題無題
解答を求める問い。テーマ。「課題歌題解題季題議題主題宿題出題難題本題命題問題例題論題話題
最初に書き記す文。「題辞題跋だいばつ
詩文などを書き記す。「題画題額
[名のり]みつ

だい【題】

[名]
書物、または文章・芸術作品などの趣旨・内容を簡潔に、総括的に示す見出しの語句標題。タイトル。「をつける」
詩歌などに詠み込む事柄。「秋の風物に歌を詠む」
解答を求めて出す質問。問題。
[接尾]助数詞試験などの問題を数えるのに用いる。「五できた」
[類語](1題名題目題号標題表題外題げだい内題名題なだい・作品名・書名書目編目演題画題タイトル仮題原題

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「題」の意味・読み・例文・類語

だい【題】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 書物の名。書名。題名。標題。
    1. [初出の実例]「勒成三巻、立題号曰、続性霊集補闕抄矣」(出典:性霊集‐奥書(1079))
    2. [その他の文献]〔杜甫‐西郊詩〕
  3. 詩歌、文章また美術作品などで、その主意を初めに短く掲げたもの。
    1. [初出の実例]「交野(かたの)を狩りて、あまの川のほとりに至るを題にて、歌よみて」(出典:伊勢物語(10C前)八二)
    2. [その他の文献]〔燃藜余筆〕
  4. 試験などの問題。とい。問題。
    1. [初出の実例]「季英試みのたい給はりて、ひとり船に乗せられて出でたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
  5. 解決を求められていることがら。課題。また、議論などの主眼点。議題。
  6. 詩や文章を書き記すこと。
    1. [初出の実例]「漫興欲題還懶起、一杯烟酒臥雲生」(出典:寛斎先生遺稿(1821)一・秋夜)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「題」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 18画

[字音] ダイ
[字訓] ひたい・しるす

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は是(ぜ)。是に(だい)の声がある。〔説文〕九上に「(ひたひ)なり」とあり、また定ともいう。〔礼記、玉藻〕に「雕題(てうだい)趾」、〔楚辞、天問〕に「雕題齒」とみえ、古く南方には額に入墨し、お歯黒を用いる俗があった。額は顔の中央正面のところであるから、室の中央正面に掲げるものを題額、書冊には題署という。そのほか題字・題目のように用いる。

[訓義]
1. ひたい、あたま、かしら、さき。
2. 正面にしるす、あらわす、かきつける、しるし。
3. 表題、題目、問題、課題、そのことの主となるもの、主題。
4. しなさだめ、品題。
5. と通じ、みる、あきらかにする。

[古辞書の訓]
名義抄〕題 ヒタヒ・ハシ・ヌカ/題 イタツキ 〔立〕題 アラハス・カク・ヌカ・シルシ 〔字鏡集〕題 ツバヒラカニ・サトル・アラハナリ・アラハス・シルシ・ミル・カク・ヒタヒ

[語系]
題dye、定dyengは声近く、定を題額の意に用いることがある。また、頂tyeng、・巓tyen、天thyenは声義近く、一系をなす語である。

[熟語]
題衣・題詠・題額題緘・題記・題刻・題詩・題字・題辞題識・題署・題序・題染題簽・題湊・題柱・題破題跋・題表・題評・題品・題払・題壁・題名・題目
[下接語]
課題・画題・改題・解題・顔題・戯題・議題・旧題・御題・偶題・外題・詩題・主題・宿題・書題・設題・探題・雕題・内題・難題・発題・表題・標題・品題・分題・封題・題・本題・無題・名題・命題・問題・留題・録題・論題・話題

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【題跋】より

…中国の文体の名称。明の徐師曾の《文体明弁》は題跋を,清の姚鼐(ようだい)の《古文辞類纂》は序跋類を立てている。題は書物の巻頭や書画の余白に書く短文であり,多くはその書物,書画に対する意見,感想などが述べられる。…

※「題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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