飛騨郡代(読み)ヒダグンダイ

デジタル大辞泉 「飛騨郡代」の意味・読み・例文・類語

ひだ‐ぐんだい【飛×騨郡代】

江戸幕府職名勘定奉行に属し、本陣飛騨高山に置き、飛騨美濃加賀越前幕府直轄地支配民政を行った。

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精選版 日本国語大辞典 「飛騨郡代」の意味・読み・例文・類語

ひだ‐ぐんだい【飛騨郡代】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府の職名。勘定奉行の支配に属し、関東・美濃・西国筋郡代次席に位する。飛騨国岐阜県高山に本陣を置いて飛騨および越前(福井県)、加賀(石川県)、美濃(岐阜県)などの諸国の約一〇万石の天領を支配し、民政を行なった。〔吏徴(1845)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「飛騨郡代」の意味・わかりやすい解説

飛騨郡代
ひだぐんだい

勘定奉行(ぶぎょう)の支配下に属し、関東・美濃(みの)・西国筋(さいごくすじ)郡代に次ぐ江戸幕府の職名。1692年(元禄5)飛騨国(岐阜県北部)領主金森頼旹(かなもりよりとき)転封後、高山に陣屋を置いて関東代官伊奈(いな)半十郎忠篤(ただあつ)が兼任したのが始まりである。飛騨および越前(えちぜん)(福井県)、加賀(石川県)の白山麓(ろく)の幕領と美濃(岐阜県南部)の一部の幕領を含めて10万石の領地を支配し、地方(じかた)と公事方(くじかた)に分かれた事務を統轄し民政をつかさどった。1777年(安永6)に専任の布衣(ほい)郡代が発令され、以後90年間に14代の郡代交替があって明治に至った。

[浅井潤子]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「飛騨郡代」の意味・わかりやすい解説

飛騨郡代
ひだぐんだい

江戸時代,飛騨 (岐阜県北部) を中心とする幕府直轄領を支配した地方官の職名。元禄5 (1692) 年幕府は飛騨高山藩主金森頼とき (よりとき) を出羽上山に移封して飛騨を天領とし,関東代官に飛騨代官を兼務させた。安永6 (1777) 年にいたって郡代おき飛騨3万 8000石を中心として美濃,加賀,越前などの一部を支配させ,以後明治維新までその支配が続いた。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「飛騨郡代」の解説

飛騨郡代
ひだぐんだい

江戸幕府の職名。飛騨国と周辺の幕領の地域を治めた。1692年(元禄5)飛騨国は幕府直轄地に編入され代官の支配が続いたが,1777年(安永6)代官大原紹正(つぐまさ)の検地で,支配地の石高が増加したため郡代に昇格。高山(現,岐阜県高山市)に陣屋をおき,越前国本保(ほんぼ)(現,福井県越前市)と美濃国下川辺(現,岐阜県川辺町)に出張陣屋があった。支配地は,山林・鉱山地域を含めて10万~11万石程度。

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