コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

食道裂孔ヘルニア しょくどうれっこうヘルニア esophageal hiatus hernia

5件 の用語解説(食道裂孔ヘルニアの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

食道裂孔ヘルニア
しょくどうれっこうヘルニア
esophageal hiatus hernia

胃が食道裂孔を通って胸腔内に入り込んだ状態をいう。横隔膜ヘルニアの約 80%を占める。食道裂孔は食道が横隔膜を通る生理的な裂隙であるが,これが弛緩,拡大すると腹腔内臓器が胸腔内に脱出する。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

しょくどうれっこう‐ヘルニア〔シヨクダウレツコウ‐〕【食道裂孔ヘルニア】

胃の上部が横隔膜を突き抜けて食道側に飛び出る病気。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典の解説

食道裂孔ヘルニア

 横隔膜ヘルニアの一種で,食道裂孔を通って食道の一部や胃が胸腔に入る症状.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

家庭医学館の解説

しょくどうれっこうへるにあ【食道裂孔ヘルニア Esophageal Hiatus Hernia】

[どんな病気か]
 食道は横隔膜にある食道裂孔という孔(あな)を通り、胸腔(きょうくう)から腹腔(ふくくう)に入り、胃とつながっています。その食道裂孔から胃の一部が胸腔内に入り込んだ状態が食道裂孔ヘルニアです。滑脱(かつだつ)型、傍食道(ぼうしょくどう)型、混合型の3種に分けられますが、ほとんどが滑脱型です。
[症状]
 無症状のため、検診で発見されることがほとんどです。症状がある場合は、ほとんど合併する逆流性食道炎によるものです。これは酸性の胃液が食道内に逆流するためで、胸やけ、胸骨の裏側が圧迫されるような痛み、つかえ感があります。胸やけは食後、夜間、明け方によく生じます。吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)もみられます。ヘルニアが大きい場合は、胸内苦悶(きょうないくもん)(胸が苦しい)などが出現することもあります。
[原因]
 生まれつき食道裂孔が広かったり、横隔膜の形成が不良の場合は幼小児や青少年に発生しますが、老壮年期に発生するもののほうが多くみられます。これは加齢(かれい)によって横隔膜裂孔の靱帯(じんたい)が弱くなったり伸びきったりして噴門部(ふんもんぶ)(食道と胃がつながっている部分)の固定状態が悪くなるためではないかと考えられています。
 そのほか、肥満も原因の1つと考えられています。また、外傷によるものもあります。
[検査と診断]
 食道胃透視、内視鏡でヘルニアの程度と逆流性食道炎の有無が調べられます。また食道内圧や、食道内の酸性度も調べられます(pH検査)。狭窄(きょうさく)の程度が大きい場合は食道がんとの鑑別が重要です。
[治療]
 症状が何もなければ治療の必要はありません。症状があり、その改善を要する場合は、まず保存的(内科的)治療が行なわれます。
 日常生活上の注意として、食後すぐに横にならないこと、就寝時には胃液の逆流を防ぐため頭部を高くすることを心がけます。また肥満予防をはかることもたいせつです。
 さらに、胃での酸の分泌を抑えるH2ブロッカーや、消化管運動賦活促進薬(ふかつそくしんやく)、粘膜保護薬(ねんまくほごやく)などを服用します。
 保存的治療で改善がみられなかったり、胃の大部分が胸腔側に脱出して圧迫症状が強いものや、もとの位置にもどらなくなる嵌頓(かんとん)のおそれのある傍食道型は手術をしなければなりません。
 手術の大半を占める滑脱型ヘルニアの手術は、脱出した噴門部を腹腔内にもどし、裂孔を縫い縮めて、胃液が食道に逆流しないように工夫するものです。
 最近は、腹腔鏡(ふくくうきょう)を利用した侵襲(しんしゅう)(身体的負担)の少ない手術が行なわれ始めています。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

食道裂孔ヘルニア
しょくどうれっこうへるにあ

横隔膜ヘルニアの一種。食道は横隔膜にある食道裂孔を通り胃につながっているが、本来は腹腔(ふくくう)内にある胃の一部もしくは全部が、この孔(あな)を通って胸腔内に脱出した状態をいう。腹腔内臓器(ほかに結腸や小腸など)が胸腔内に脱出する横隔膜ヘルニアのなかで、胃が約95%を占める。先天的に食道が短く胃が胸腔内に引き込まれて脱出している短食道胸胃もあるが、後天的に脱出する場合が多く、鉗子(かんし)滑脱型と傍食道型およびその混合型に分類される。鉗子滑脱型は食道胃接合部の噴門部分と胃の一部が胸腔内に脱出したもので、全体の約80%を占める。傍食道型は食道胃接合部は腹腔内のままで、胃の一部が食道周辺を通り、胸腔内に脱出している。加齢による食道裂孔の弛緩(しかん)および開大によって起こり、また肥満、妊娠、喘息(ぜんそく)、慢性気管支炎、努責(どせき)(息張ること)、前傾姿勢などによる腹圧上昇も原因となる。40歳代以上の女性に多い。自覚症状がない場合も多いが、逆流性食道炎(胃食道逆流症)を併発する場合があり、胸やけ、胸痛、胸部不快感などを伴う。夜間睡眠時や食事の直後に症状が強く現れることがあり、喫煙、飲酒、脂肪分の多い食事なども影響するとされる。診断はX線造影や内視鏡検査により臓器の位置および状態を確認して行う。予防のためには、消化のよい食事を少量ずつ何回もとる、摂食後の横臥(おうが)を避ける、肥満に注意し便秘を起こさないなどの事項を心がける。自覚症状がない、または症状が軽い場合はそのまま放置してもよいが、逆流性食道炎の症状が著しい場合の治療は、H2受容体拮抗(きっこう)薬(ブロッカー)やプロトンポンプ阻害薬(PPI:Proton Pump Inhibitor)の投与による内科的な薬物療法が第一選択となる。難治例では、脱出した胃に加え食道も腹腔内に引き入れ胃ごと縫い合わせるニッセン手術(Nissen fundoplication)やヒル法(Hill method)などの外科的療法を用いる。傍食道型食道裂孔ヘルニアでは手術が第一選択となる。近年では腹腔鏡下手術も可能となり、短期入院でも治療できるようになった。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の食道裂孔ヘルニアの言及

【ヘルニア】より

…大腿のつけ根が膨隆する大腿ヘルニアfemoral hernia(股ヘルニアともいう)は中年以降の女性にみられる。内ヘルニアとしては,横隔膜を通して腹部の内臓が胸腔内に脱出する横隔膜ヘルニアdiaphragmatic herniaが代表的で,これにはボホダレック孔ヘルニアと食道裂孔ヘルニアが含まれる。これら以外の網膜ヘルニア,十二指腸空腸ヘルニアなどの内ヘルニアはまれである。…

※「食道裂孔ヘルニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

食道裂孔ヘルニアの関連キーワード先天性横隔膜ヘルニア奇異性横隔膜現象リッテンの横隔膜現象子どもの横隔膜ヘルニア(ボホダレク孔ヘルニア)子どもの食道裂孔ヘルニア横隔膜のはたらき横隔膜まひ/横隔膜弛緩症横隔膜けいれん(しゃっくり)横隔膜ヘルニア (diaphragmatic hernia)横隔膜 (diaphragm)

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone