飾(読み)ショク

普及版 字通 「飾」の読み・字形・画数・意味

飾
常用漢字 13画

(旧字)
14画

[字音] ショク
[字訓] ぬぐう・かざる

[説文解字]
[その他]

[字形] 会意
(しよく)+巾(きん)。は食器の前に人の在る形で、(食)の初文。そのときに巾を帯びる。〔説文〕七下に「(ぬぐ)ふなり」とあり、はまた刷に作る。刷も、同じく人が巾を帯びる形である。は拭い清めることが原義。〔周礼、地官、封人〕「其の牛牲を(ぬぐ)ふ」のようにいう。のち容飾・修飾の意となり、飾詐のように用いる。

[訓義]
1. ぬぐう、きよめる。
2. おさめる、つくろう。
3. ただす、うるわしい、かがやく。
4. かざる、よそおう。
5. へりをかざる、うわべをかざる、いつわる。
6. 飭と通じ、いましめる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 カザル・カザリ・カガヤク・ウルハシ・トトノフ・タダス 〔字鏡集〕 カザル・タダス・ウルハシ・イロフ・シツラフ・ツク・カガヤク・トトノフ

[語系]
・拭sjikは同声。儀礼のときには巾を帯びる。食事の際に用いるものは、儀礼のときに用いるものは佩といい、(刷)という。刷shoatは声近く、また(帥)・sjiuatもその系統の語である。刷(は)き清めたことを察tsheat、察察という。察察という擬声的な語から考えると、この系統の語はもと擬声音から起こったものであろう。

[熟語]
飾賈▶・飾過▶・飾観▶・飾▶・飾偽▶・飾巾▶・飾言▶・飾口▶・飾巧▶・飾行▶・飾詐▶・飾辞▶・飾辞▶・飾車▶・飾終▶・飾潤▶・飾粧▶・飾譲▶・飾正▶・飾繕▶・飾智▶・飾匿▶・飾非▶・飾美▶・飾表▶・飾弁▶・飾貌▶・飾名▶
[下接語]
縁飾・夸飾・華飾・外飾・冠飾・偽飾・去飾・虚飾・矜飾・矯飾・玉飾・絢飾・巧飾・刻飾・耳飾・首飾・修飾・潤飾・粧飾・崇飾・声飾・盛飾・飾・整飾・鮮飾・繕飾・装飾・藻飾・彫飾・雕飾・珮飾・繁飾・美飾・服飾・扮飾・文飾・満飾・容飾・落飾・麗飾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「飾」の意味・わかりやすい解説

飾
かざり

錺(かざり)とも書く。金属工芸の一分業で、針金を編んで鎖をつくったり、銅や銀板を透かしたり、折り曲げたり、文様を彫刻したり、鑞(ろう)付けしたり、鍍金(めっき)したりする細工技術。簪(かんざし)、笄(こうがい)、釘隠(くぎかくし)、襖(ふすま)引手や、箪笥(たんす)・長持(ながもち)・神輿(みこし)の金具など、細かな小品や雑金具はおもにこの飾の技術によってつくられている。また城や社寺の建築用の大金物はとくに家形飾(やかたかざり)とよばれている。その工人は飾師、飾職あるいは飾屋などとも称している。古墳時代の耳飾、冠なども技術面からは飾の仕事に属し、その歴史は古いが、飾師の名は、奈良・西大寺蔵、応永(おうえい)21年(1414)紀の金銅舎利塔(しゃりとう)(伊勢(いせ)舎利塔)に錺屋宮内太夫、善徳、国頼、重頼とあるのや、同じく西大寺蔵の金銅透彫灯籠(すかしぼりとうろう)形舎利塔の文明(ぶんめい)3年(1471)紀修理銘に「錺師 円阿弥(えんあみ)」とみえるのが古い例である。江戸時代には飾の仕事は独立して行われ、1702年(元禄15)刊の『萬(よろず)買物調方記』には京、大坂、江戸の飾師の名が記されている。

[原田一敏]


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