香嵐渓(読み)コウランケイ

デジタル大辞泉 「香嵐渓」の意味・読み・例文・類語

こうらん‐けい〔カウラン‐〕【香嵐渓】

愛知県豊田市足助あすけ町にある渓谷矢作やはぎ支流のともえ川と足助川の合流点手前にある約1キロメートルの渓流背後飯盛山がそびえ、その山麓香積こうじゃく寺がある。紅葉名所愛知高原国定公園の一部。名は、香積寺の「香」と京都嵐山の「嵐」の2文字から。

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日本歴史地名大系 「香嵐渓」の解説

香嵐渓
こうらんけい

[現在地名]足助町足助 飯盛

ともえ川が飯盛いいもり山麓の東側から南側を経て西側へと大きく湾曲するところの渓谷。河畔香積こうじやく参道・飯盛山を含んでおり、一一種類の楓類があって紅葉の名所として知られる。香嵐渓の名称は、昭和五年(一九三〇)からのもの。この紅葉は寛永一一年(一六三四)香積寺一一世参栄本秀が、巴川沿いの香積寺参道から境内にかけて、楓と杉を般若心経一巻を誦すごとに一本一本植えたのが始まりと伝える。

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改訂新版 世界大百科事典 「香嵐渓」の意味・わかりやすい解説

香嵐渓 (こうらんけい)

愛知県北部,豊田市の旧足助(あすけ)町にある渓谷。矢作(やはぎ)川の支流巴川が飯盛山の南麓から西麓にかけて曲流するあたり,待月橋から上流約1.5kmの香嵐橋付近までをいう。寛永年間(1624-44)に香積寺11世の参栄禅師が植樹したのが始まりといわれるモミジの美しさは東海一と評されている。イノシシ鍋,アユ料理,五平餅など四季折々の郷土料理名物で,1975年には東海自然歩道が開通し,宿泊施設も設けられた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「香嵐渓」の意味・わかりやすい解説

香嵐渓
こうらんけい

愛知県豊田市(とよたし)を流れる矢作(やはぎ)川の支流巴(ともえ)川の渓谷。渓流と紅葉(もみじ)の名所。愛知高原国定公園の観光拠点。東海自然歩道のコースにあたる。紅葉は、名刹(めいさつ)香積寺(こうじゃくじ)11世の参栄(さんえい)が参道に植樹したのが始まりといわれ、旧足助(あすけ)町民全体が継承補植したもので、スギやサクラも混じって美観である。地名は、香積寺、京都嵐山(あらしやま)より各1字をとったものともいわれる。飯盛(いいもり)山は中世足助七城の一つ。近くに足助八幡(はちまん)宮や三州足助屋敷などもある。豊田市(とよたし)駅、東岡崎駅などからバスがある。

[伊藤郷平]


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百科事典マイペディア 「香嵐渓」の意味・わかりやすい解説

香嵐渓【こうらんけい】

愛知県東加茂郡足助(あすけ)町(現・豊田市),巴川と足助川の合流する付近の渓流。背後の飯盛山に寛永年間(1624年―1644年)香積(こうしゃく)寺の僧が植えたという数千本のカエデがあり,清流と紅葉の名所になっている。香嵐渓の呼称は1930年からのもの。
→関連項目愛知高原国定公園足助[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「香嵐渓」の意味・わかりやすい解説

香嵐渓
こうらんけい

愛知県北部,豊田市中央部にある巴川 (矢作川支流) の渓谷。巴川と足助川の合流点付近で,紅葉の名所として知られ,東海道自然歩道も通って愛知高原国定公園の中心地の一つである。足助重範ゆかりの足助七城の本城があった飯盛山山麓の名刹香積寺の紅葉は,約 300年前に植樹したのが始まりといわれるが,現在のものはほとんど大正期に植樹したものである。

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