愛知県北東部の高原地帯を、北西から南東へ貫く細長い国定公園。1970年(昭和45)指定。面積217.40平方キロメートル。南部の三河湾国定公園を海の公園とすれば、こちらは山岳の公園といえる。東三河の設楽町(したらちょう)、西三河の豊田市足助(あすけ)地区、猿投(さなげ)山を経て尾張(おわり)の瀬戸市、春日井市(かすがいし)に至る延長212キロメートルの東海自然歩道のコースが通っているため、その範囲は細長くなっている。渓谷美としては香嵐渓(こうらんけい)・勘八(かんぱち)峡、湖は奥矢作(おくやはぎ)湖・三河湖、温泉地としては榊野(さかきの)・笹戸(ささど)・小渡(おど)・足助・岩屋堂温泉、高原美としては段戸裏谷(だんとうらだに)、寧比曽(ねびそ)岳、猿投山などが、文化財としては猿投(さなげ)神社、定光(じょうこう)寺の徳川義直廟所(よしなおびょうしょ)などがある。段戸裏谷のモミ、ツガ、ブナ林の原生林、香嵐渓のもみじ(紅葉)と巴川(ともえがわ)の清流美は県内随一といわれ、多くの観光客を集めている。
[伊藤郷平]
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